「妻が働く理由」と「子育て環境の地域差」
「都市と地方における子育て環境に関する調査」の結果が、内閣府のWebサイトに掲載されています。先日、2012年版「子ども・子育て白書」に掲載予定である、「子育て家庭の妻、86%が就労希望」という調査結果をこのブログで紹介させていただいたのですが、どうやらこの数字の情報源が、「都市と地方における子育て環境に関する調査」であるようです。
都市と地方における子育て環境に関する調査
報告書 概要版 全体版 - 内閣府
この調査結果の中から、気になった点をいくつか、紹介させていただきます。
◆今後の就労意向
まずは、妻の86%が就労希望の「86%」の内訳から。下表の上から3番目までが該当するようです。
就労の意向 | 割合 |
今後は(今後も)正社員として働きたい | 25.8% |
最初はパートとして働くが、 ゆくゆくは正社員として働きたい |
14.9% |
今後はパートとして働きたい | 45.3% |
今後は(今後も)働かない予定 | 11.6% |
その他 | 2.4% |
◆就労の理由
「今後、就労を希望する妻」と「就労中の妻」の就労理由の違いを見てみました。下表では、10%以上の違いがある場合、着色&太字にしてあります。
これから働きたいのか、今働いているかという立場の違いもあって、働く理由に違いがあるようです。複数回答であるものの、「家計を補助するため」「将来に備えて貯蓄するため」「生計を維持するため」が、いずれの妻の場合も上位3位を占めています。やはり経済的な理由が強いようですね。
A: 就労希望(今後の就労を希望している妻)
B: 就労中(現在就労している妻)
Aの 順位 |
就労の理由 | A 就労 希望 |
B 就労 中 |
1 | 家計を補助するため | 71.8% | 55.2% |
2 | 将来に備えて貯蓄をするため | 61.3% | 34.9% |
3 | 生計を維持するため | 42.7% | 60.1% |
4 | 自分の自由になるお金を得るため | 41.0% | 29.1% |
5 | いろいろな人や社会とのつながりを持ちたいから | 25.3% | 19.8% |
6 | 時間を有効に使いたいから | 25.2% | 16.2% |
7 | 家庭だけにはいたくないから | 18.8% | 19.1% |
8 | 仕事を通じて達成感を得たいから | 15.2% | 17.2% |
9 | 自分の能力や可能性を試したいから | 11.4% | 13.2% |
10 | 社会のために貢献したいから | 6.9% | 9.6% |
11 | 働くのは当然だから | 6.0% | 19.7% |
12 | 家業だから | 0.3% | 3.6% |
その他 | 0.4% | 0.9% |
「働くのは当然だから」という就労理由は、就労中の妻の方が19.7%と高いようです。私も「働くのは当然だから」と考えています。父も母も働いていたからだと思います。それが当たり前の家庭で育ったからでしょうね、きっと。
◆地域ごとの子育て環境の違い
「都市と地方における子育て環境に関する調査」結果で、最も興味深かったのは、地域による子育て環境の違いです。例えば、以下。東北地域では、「職場の人」に、子育ての相談をしたり世話をしてもらえる割合が他の地域よりも高く、11.4%なのだそうです。
調査の総括にも、東北地域の特徴として、「子どもをかけがえのない大切な存在であると考え、子ども・子育てを大切にしようとする価値観・意識は、全国の中で最も強い。女性の就業率は比較的高く、妻の職場における子育てに対する理解もある。」と書かれていました。
◇ ◇ ◇
家庭によって事情が違うことを踏まえ、柔軟性のある政策をいつも期待しているのですが、地域差を踏まえた政策も、必要なんじゃないかな。というのが、この調査結果を読んだ私の感想です。
今回の調査結果は、地域差について焦点があてられており、興味深いです。気になるキーワードの箇所だけざっと読んでみたのですが、もうちょっと深く読んでみたいです。
P.S. 昨晩、この記事を書いていたのですが、途中で保存しようとしたら、我が家のWi-Fi環境の調子が悪かったらしく、サーバーに記事の内容が送られずに、消えてしまいました
昨晩書いた記事の方が、もっとすっきりと書けていた気がします。同じようには書けないものですね。
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