労働市場改革に向けた行動指針策定へ
4月6日に開かれた経済財政諮問会議で、労働市場改革専門調査会の第1次報告が提出されました。報告書の内容を、6月にとりまとめる予定の「骨太の方針」に反映させる方向なのだそうです。
報告書では、「ワークライフバランスを達成するための具体的な数値目標」と、「ワークライフバランス憲章の策定」について述べられています。
ワークライフバランスの実現に向けて、一歩前進、ということになるのかな。
労働市場改革に向け行動指針策定で合意
=大田担当相
報告書では、仕事と生活を両立させる「ワークライフバランス」を実現するため、10年後の2017年までに、既婚女性の就業率を現行から14%引き上げて71%にすることや、フルタイム労働者の年間実労働時間を1割短縮するなどの数値目標を設定するとともに「ワークライフバランス憲章」の策定が提言されている。
引用元: ビジネス - Reuters.co.jp
労働市場改革の議論を受けて、安倍首相は「長時間労働を前提に経済が成り立つのはおかしい。」とコメントされたそうです。「長時間労働しろ」とは明には言われていないけれど、長時間働かないとこなせない量の仕事を与えられるのはおかしい、と思っている労働者・管理職は多いのでは?例えば、こういった状態の改善のために、政府が報告書の内容をもとにして定める予定の、「労働市場改革に関する行動指針」が役立ってくれるといいのにな。
経済財政諮問会議の配布資料は36ページありますが、説明用資料は3ページなので、目を通してみてもいいかも。
以下で、報告書の内容を、ちょっと紹介します。詳細は、経済財政諮問会議のWebサイト(この記事の最後にリンクがあります)で確認してくださいね。
■6つの「壁」
環境の変化に労働市場が対応できていないために、働く人が直面する6つの壁として、正規・非正規、働き方、性別、官民、年齢、国境があると、報告書には書かれており、これらの壁は克服すべき課題であるとされています。
いろんな壁がありますね。
■数値目標(抜粋)
- 女性の就業率向上
25~44歳層の既婚女性について14%引上げ - 労働時間の短縮
フルタイム労働者の年間実労働時間を1割短縮- 完全週休二日制の100%実施
- 年次有給休暇の100%取得
- 残業時間の半減
個人的には、効率的に仕事を進める方法を、今まで以上に取り入れる必要があるなぁと思っています。私、スローペースですし(^^;
■ワークライフバランス憲章
ワークライフバランスの実現は、出生率上昇や生産性向上につながることがEU諸国で実証されているそうです。今まで日本でも取り組んではきたけれど、あまり効果が挙がっていないという実情から、ワークライフバランス憲章を策定する動きが出てきているようですね。
ワークライフバランスを実現するためには、過去に同様な状況に直面したイギリス等の国々の経験に照らして、政労使による大きな国民運動を巻き起こし、大胆な意識改革を図るとともに、具体的な取組みを果敢に進める必要がある。このため、政府は、《ワークライフバランス憲章―働き方を変える、日本を変える―》を策定し、ワークライフバランスの実現に向けた本格的な取組みを進めるものとする。その柱は以下の通り。
※見出しを抜粋
第1条:多様な働き方の権利を含め、
働き方の共通原則の確立
第2条:税・社会保障等、
働き方に中立的な制度への改革
第3条:多様な保育サービスの提供、
保育所の整備による待機児童の解消
第4条:働き方の見直しを通じた仕事の効率化で
年間実労働時間を大幅に削減
第5条:政労使による合意形成の仕組み
引用元: 労働市場改革専門調査会 第1次報告(PDFファイル)
関連情報へのリンク:
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» ワークライフバランスへ一歩前進 [働くペンギン]
4月6日朝日新聞の記事より(クリックで飛びます)以下引用労働時間短縮では、06年 [続きを読む]
TBさせていただきます。総理大臣の発言は知らなかったですが、この発言、とても心強いです。経済界もおなじ考えをもってくれたら、頼もしいのですが。
まだまだ長時間労働によって産業がなりたっていると考えている人の多いことを痛感しています。
投稿: ちゃい | 2007年4月10日 00時22分
★ちゃいさん
コメントとTB、ありがとうございました!
安倍首相の「長時間労働を前提に経済が成り立つのはおかしい。」という発言について、おかしいのが普通の状態ではなくなると、かなりいいかもしれないなぁと思いました。残業時間の多さが良い評価につながるという風潮、まだまだ残っているようにも思えますし。
投稿: windy | 2007年4月10日 22時37分