産まない女性、揺れる心
「子供をつくることによって失うものへの不安」は、私にもありました。
それよりももっと私の心を揺らしたのは、「結婚することによって失うものへの不安」でした。結婚のために、一番やりたかった仕事から離れなければならなかったから。女性の私だけがなぜ?私には理解できませんでした。
「心が揺れる」のは、出産についてだけではないですよね。結婚だったり、病気だったり、別れだったり。
出生率や出生数が過去最低という今だからこそ、「産まない」ことが取りざたされていますが、いろんなタイミングで、人それぞれに揺れているのでは?
引用元記事の中で、「『仕事か子供か』の二択をしないで済むような助け」について葉石さんが触れられています。産むこと以外にも視野を広げて考えることができると思います。いろんなシーンで岐路に立った時、『仕事か○○か』の二択をしないで済むような助けがあるといいんじゃないかって。
「1・25」-。1人の女性が一生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率が過去最低を記録するなか、女性たちが「産もうとしない理由」に注目が集まっている。少子化対策の取り組みが子供を産むという選択に、なかなか直結していないからだ。統計的に「出産適齢期」といわれる20代後半から30代前半を迎えてもなお、「産んでいない」女性たちに話を聞くと、口々に「今の生活の充実」と、「子供をつくることによって失うものへの不安」を吐露した。
…中略…
働く女性の産まない事情に、著書『産まない理由』(イースト・プレス)で迫ったエッセイストの葉石かおりさん(40)は言う。「多くの女性は『産まない』と決めたわけではなかった。『産みたい』という女性は少なくない」
産みたいけれど、産むことに踏み切れない…。その底流にある思いは、努力し築き上げ、そして得たものが奪われる不安だ。「出産して仕事を休めば、今まで積み上げてきたキャリアが台無しになる、これまで自分のものだった自由になる時間がなくなってしまう…、子供を持つことに、いろいろなマイナスイメージを彼女らは抱いている」
…中略…
「彼女たちが求めているものは、『仕事か子供か』の二択をしないで済むような助け」と葉石さんは話している。
引用元: Sankei Web 生活・文化 産まない女性、揺れる心 キャリアや時間、失う不安(06/13 09:21).
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産まない理由 今、話題の一冊です。上の引用元記事の中にも登場しています。 |
私は幸いにも、上司や関係者のみなさんの温かな対応のおかげで、結婚というシーンで、仕事か結婚かの二択をしなくても済みました。「産まない」ことからは逸れてしまいますが、そのときのことを、少し紹介しますね。
結婚前、彼(旦那様)の所属部署が、部署ごと勤務地移動になりました。そのタイミングでないと社宅には入れない、しかも社宅に入るためには入籍している必要があると、当時、彼が勤めていた会社から言われました。例外は認められないとのこと。ワタシ的には、結婚なんてもっと後でよかったのに、その時期に入籍しなければいけない状況に追い込まれてしまいました。
まず、担当していた製品開発が一区切りするまで、その仕事を担当させてほしいと上司にお願いしました。できるだけ長く、自分が納得できる節目まで、その仕事を担当させてほしかったからです。
次に、仕事が一区切りするまで独身寮に住んでもいいことを、会社に相談し、認めていただけました。
はじめは、私の会社には、入籍するなら、独身寮を退寮するように言われました。また、旦那さまの会社には、入籍後すぐに一緒に住まないのならば、社宅を貸せないと言われていました。
結婚後は、それまで勤めていた事務所には、新幹線通勤でさえ通えない場所に引っ越さなければならなかったので、止むなく、「結婚にともなう異動」をさせていただくことになりました。
そのときの上司が気遣ってくださり、それまで培った知識を活かせる職場に、異動させていただけることになりました。上司の素敵なはからいに感謝!そうでなければ、大恋愛の末の結婚というわけではないので、もしかしたら、結婚をやめていたかも。
でも。いまだに納得できていない気もします。なぜ、女性側だけがこんな思いをしなければいけなかったのか。自分の方が旦那様を好き、という状態での恋愛・結婚だったら、悩むこともなかったのかもしれませんが(^^;
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ほんと、考えていると産めませんね…。
私はたまたま結婚後授かってしまい、自分で思っていたより早く出産することになりました。一人いてたいへんならもう一人、と3年後に産んで今に至ります。ほんと、そんな風に授かったからこそ今二人子供がいて産んだこともよかったと思っていますが、そうでなかったらまだ子供を産んでないかもしれません。
周りの理解のおかげで、仕事も結婚も子供も、という欲張りな生活をしているのかなと思っています。感謝です。
投稿: ちろなか | 2006年6月20日 04時43分
初めまして。
私もワーキングマザーの1人です。
職場復帰したころから時々拝見させていただいていました。只、自分の使っているPCから上手くコメントを入れることができず、これまで拝見するばかりで・・・
職場環境というか、きっと頑張って来た成果もあるのだとは思いますが、時々羨ましく思えます。
私は小さな会社で働いていますが一応「クリエーター」のつもりでいました。
職種も悪かったのかもしれませんが・・・
元々、厳しい納期に追われてサービス残業で仕事をこなす日々でした。正直『仕事か子供か』と迷った一人です。
でも『ダメもとで仕事・子育て両立してみよう』と決心したんです。もう若くなかったので、正直仕事を取るなら子供は「生まない」と考えていました。
覚悟はしていましたが、子供を生んでからは、残業も思うように出来ず仕事量にも当然制限が・・・それでも頑張って来たつもりでしたが、一部の人の目は冷たく、いたたまれなくなることもあります。
これまで築いてきたものが、崩れていく感じでした。
それでも、会社のトップの方にあたる方々が「産休とって職場復帰で頑張るのは、社内で初めてのケースだから、モデルケースになるように頑張ってみて」と言ってくれます。それだけが今の支え、そして多少のことは堪えていこうと考えを切り替えられるんです。。(でも育児に対する社内の規定は無く、時短制度の希望も却下されてしまいましたが...)
同じ立場で、経済的に余裕のある人だったら辞めてるかもしれませんね・・・
今も毎日、お迎えの時間と仕事のスケジュールに追われてやりくりに四苦八苦です。
働くママにとって職場の理解はとても重要ですよね・・・特に中小企業ほど、厳しいかも知れません。
投稿: hayaママ | 2006年6月21日 12時59分
わたしも、いずれ書かなければならないテーマなので、興味深く読ませていただきました。
うちの業界(笑!でも業界なんですよ)である、「ピアノの先生」の場合、お子さんがいる方、いない方の割合がどのくらいあるか、って言う統計を取ったことがないのでわかりませんが、お子さんがいて、しかも前線でバリバリ仕事を入れている方は実家頼みというパターンが周りでは多かったです。結婚していても、様々な理由でお子さんがいない方もいます。わたしの場合、1人目はちろなかさんと同じように、結婚後割とすぐに、授かったので、産まないかどうかと考える暇もありませんでした。2人目は、わたしのブログタイトルからもお分かりのとおり、思いがけず授かった子ですので、これまた産まないという選択はなかった。
小さな子を抱えている場合は、きっぱり生徒を取るのをあきらめるか?育児は外注を駆使して頑張るか?わたしのように出来る範囲で細々とやるか?という3択になると思います。レッスン時間は短いのですが、教材研究や指導者の研究会など、力いっぱいやっていると時間が足りなくなります。わたしはあきらめられないので、フルタイムの方から見るとかなりヌルい仕事ぶりかもしれませんが、現状維持でやっています。
hayaママさんの状況はうちの夫の会社に似ているかもしれませんね。というのは、子育てしながら勤務する女性社員がいないんですよ。夫の話では「女子社員は待遇が悪すぎるので、育児しながらでも頑張ろうと思えないのでは?」と言っていました。なんだかなぁと思いますけどね。
投稿: おそなえ餅1号 | 2006年6月21日 13時23分
みなさま、コメントありがとうございます。コメントのお礼や返事がなかなか書けなくてごめんなさい。
重たいテーマかなと思いますので、週末にコメントの返事をさせていただこうかと考えています。
どうぞまた読みにいらしてくださいね(^^)
投稿: windy | 2006年6月23日 11時55分
>なぜ、女性側だけがこんな思いをしなければいけなかったのか。
↑
私もこの疑問にはしばしばぶつかります.でもこの疑問に正面から当たっていくと,いろんなことを破壊していくような気がして,上手く目をつむりながら自分にとって不利益が少なくなるような選択を誘導できるよう腐心してます.
そういう女性の側の配慮や疑問は,男性やそのようなことに疑問を感じたことのない女性には全く理解されず「当然のこと」と言われると,反論したくなりますが.(まだまだ人間が練れていないものですから)
だいぶ前に書いた記事をTBしてみます.(上手く送れますように・・・)
投稿: とと | 2006年6月24日 16時08分
ごめんなさい.TBが勢い余って2つも行ってしまいました.ひとつは削除願います.
(*- -)(*_ _)ペコリ
投稿: とと | 2006年6月24日 16時13分
みなさま、コメントありがとうございます。コメントの返事が遅くなってしまってごめんなさい。
★ちろなかさん
タイミングって、結構重要ですよね。あのタイミングを逃していたら、あの状況でなかったら、違う選択をしていたかもしれないと思うコトって結構ありますもの。
私もあの状況でなければ、結婚はもっと後になっていたと思うし、異動後、ちょっとした病気をしなければ、母親になるのももっと後になっていたと思います。
ちろなかさんと同様に、感謝の気持ちはいつも持ち続けていたいと思います。
★hayaママさん
はじめまして。頑張っていらっしゃる様子が、コメントからひしひしと伝わってきました。子育て関連の社内規定がない状態での両立ということですので、hayaママさんの決心は並大抵のことではなかったのではないかと感じました。
私はたまたま大企業に勤めているので、制度は整っていると思います。制度が整っていたとしても、やっぱり似たような悩みを持っています。子どもが体調を崩したら休まないといけない、保育園のお迎えがあるから残業できない、などなど。
働く母親になって何が難しかったかといえば、自分を納得させるのが一番難しかったかもしれません。そんな中、仕事関連の満足度と子育て関連の満足度を合わせて100%になっているからOKと考えることにしてみたり、どんな時でもプラスの側面を見いだすようにしたり、自分が満足できるラインを母親になる前とは違うところに引いたりすることで、試行錯誤しながら、納得してきた気がします。
何年、何十年か後、これでよかったんだって思えるといいな。
hayaママさん、頑張り過ぎないように頑張ってくださいね。
余談ですが、「頑張り過ぎないように頑張って」という言葉は、頑張りすぎていた私に、弟が送ってくれた言葉です。そういう頑張りもあるのだということに気付かされました(^^)
★おそなえ餅1号さん
おそなえ餅1号さんの「出来る範囲で細々とやる」という選択は、私の選択にちょっと似ていると思いました。力いっぱい仕事してしまうと、家族と過ごす時間がなくなってしまうんですよね。会社にいる間はできるだけきびきびと仕事して、うちにいる間は子どもたちとの時間を大切にしたいなと思っています。
忙しい時期は、旦那様にお迎えに行ってもらうので、旦那様が残業できない状態になります。協力に感謝しなくては。
ちなみに、私は計画妊娠だったので、産まないという選択はできました。でも産みました。ちょっとした病気をしたことがきっかけだったのです。産めるうちに産んでおかないと、もしかしたら、子どもを欲しくなった時には病気とかで産めなくなっているかもしれない、という、(今にして思えば)取り越し苦労から、産むことを決意したのでした。。。
★ととさん
同じようなこと考えているんだなぁと思いながら、コメントを読ませていただきました。
「自分にとって不利益が少なくなるような選択」にはとっても同感です。そういう選択をしていることを分かってもらえないと辛かったりしますよね。
「反論したくなる気持ち」も分かります。理解してもらうのってなかなか難しいですよね。私はそういうときは感謝の気持ちを伝えることにしています。反論することもたまにはありますが。
P.S. TB、一つ消しておきました!
投稿: windy | 2006年6月26日 04時12分