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2005年12月10日

少子化対策の道もローマに通ず?

少子化対策の道もローマに通ず?(^^;

「日本の子育て 年間38兆円超」というニュースが、12月8日のNHKニュースにありました。子育て費用の公費負担を増やす必要性を、「少子化社会白書」に盛り込むという内容。

内閣府は、育児や子育てに社会全体が負担している費用の総額について、平成14年度の各種の統計などをもとに初めて調査を行いました。その結果、18歳未満の2275万人に対して、日本社会全体が負担している費用の総額の推計は、年間38兆5000億円にのぼり、子ども1人当たりに173万円かかっていることが明らかになりました。これは、年金や医療給付費などを含めた、高齢者にかかる費用の総額59兆3000億円の、およそ65%にあたります。
…中略…
内閣府は、育児や子育てにかかる費用は高齢者にかかる費用に比べて公費の負担割合が少なく、少子化に歯止めをかけるためには公費負担を増やす必要があるとしており、近く閣議決定する内閣府の「少子化社会白書」にこうした内容を盛り込むことにしています。
引用元:NHKニュース 日本の子育て 年間38兆円超(2005年12月8日)

子育て費用は、高齢者向け費用の約65%という説明。でも、鈍い私にはピンとこなかったので、調べてみました。

まず、他の国と比べて日本の公的負担はどうなのか?

社会実情データ図録」の「少子化対策公的支出の国際比較」のデータを見てみました。みなさんも、ぜひ見てみてほしいです。日本って、家族・子ども向けの公的支出は高齢者向け支出のわずか8.2%だけなんですって。三分の一か四分の一くらいかなぁと思っていたのに。。。

なるほど、公費負担を増やそうという動きも納得です。

保育園児一人にかかる費用は、私たちが支払っている保育料の3倍くらい(だったかな、うろ覚えです^^;)かかると市役所で聞いたことがあります。結構な金額を市が負担してくれているんだなとありがたく思っていますが、他国と比較するとそうでもないのかも。

上記の国際比較データの説明文(下記に引用させていただきました)を読んで、ローマ帝国の少子化対策を知りました。皇帝アウグストゥスは、未婚女性に独身税を負担させたり、能力が同じなら、子どもの数が多い男性を優先的に公職に採用したりして、結婚や出産を奨励したのだそうです。

 従って、少子化対策の基本は、期待所得を下げるか、子育て世帯の所得を上昇させるしかない。塩野七生女史は古代ローマのを引き合いに出してラディカルな対策を提示している(日経新聞2005.1.1)。

「パクスロマーナと呼ばれる平和な時代になると、特に指導者層がだんだん子供をつくらなくなる。...少子化を懸念した初代皇帝アウグストゥスは未婚の女性にいわば『独身税』を課したり、能力が同じなら、子供が多い男性を優先的に公職に採用したりして結婚と出産を奨励した。まだ、少子化がそれほど深刻でなかったにもかかわらず手をうったのです。結果的にこの制度は300年近く続き、抑止力として相当な成果をあげた。...少子化問題に本気で取り組むなら、子供を持つ家庭に徹底的な経済支援をすべきだ。税金の控除のような中途半端なものでは駄目。子供が4人いれば、手当だけで食べていけるぐらいの徹底的な援助をすることです。そしてアウグストゥスにならって、キャリア面でも子持ちの人が得をする制度をつくる。子育て家庭に手厚い経済的援助をしている欧州でも、職場での優遇策まではやっていないでしょう。日本はまもなく総人口が減り始める事態に立ち至っているのだから、先べんをつければいい。」

引用元:図録▽少子化対策公的支出の国際比較

というわけで、少子化対策の道もローマに通じているように感じたわけです(^^;

みんなの憲法二四条塩野七生さんの少子化に関する上記の話は、「みんなの憲法二四条(福島みずほ著)」でも紹介されているそうです。


4101181659追記:
ぶぅさんから「ローマ人の物語〈15〉パクス・ロマーナ(中)(塩野七生著)」を紹介していただきましたので、リンクをはっておきます。ぶぅさん、ありがとうございます。アウグストゥスの制度改革が分かりやすく紹介されているようです。読んでみようかな。

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コメント

 ローマの国家づくりって、ホント圧倒されます。単純にモノとしての国家づくりではなく、そこにいる人、コミュニティ、ライフライン、物流、そして、こういったことの継続性を踏まえている。そんな印象です。(偉そうに書きましたが、ハイッ!塩野先生の著書を私も読みました。)

実はまだ、塩野さんの著書を読んだことがないんです(^^; 今まで読んだことがなかったので、この機会に読んでみようかと。

つい先日読んだ塩野七生の「ローマ人の物語~パクス・ロマーナ(中)」(文庫版の15巻)にそのことが詳しくかかれてました。
この本すごく面白いです。普段忙しいので出張の新幹線の中で読んでますが、これ読みたさにわざわざ出張の用事を作ったりして。(^^;

こんばんは。私のブログでも似たような数字をとりあげています。
内容は猪口大臣の発言なのですが。
TBしておきます。

ぶぅさん、教えてくれてありがとうございます!
塩野さんのどの本から読もうかと考えていたところだったので、そのあたりの本から読んでみますね。本文にも追記させていただきました。

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