「アンドレアス・グルスキー展」に行きました。
国立新美術館で開催されている「アンドレアス・グルスキー展」に行ってきました。ネットで初めて作品を見た時の衝撃も相当なものでしたが、展覧会で見た実物は想像以上に凄かった!グルスキー氏ご本人が担当されたというキュレーションの効果もあってでしょうか。展覧会という空間で得た感覚がまだ鮮明に残っています。
朝、早めの時間帯に行ったので、カフェはまだ空いていました。ミュージアムカフェでゆっくりしてみるのもいいなとか思うのですが、なかなかそうもいかず。。。限りある時間は、鑑賞に使うことに決めて、展示室に向かいます。
展示室に入ってすぐに、戸惑ってしまいました。。。なぜならば。作品についている番号に、規則性がなかったからです。
たいていの場合、展示作品の横に番号が付けられていて、その番号順に見ていけばすべての作品を鑑賞できるようになっています。もしくは順路が示されているのが常です。しかしながら、この展覧会は違いました。最初の作品に付けられていた番号は、たしか「65」 一周まわって、最後にまたココに戻ってくるってことかしらと思ったら、出口は違う場所だし。スタッフの方にお聞きしたら、順路はないとのこと。
展示室全体に、作品が散りばめられていました。年代順でもなく、シリーズごとでもなく、大きさもバラバラ。1点1点に見る人が集中し、新たな視覚体験をできるようにという、グルスキー氏の演出なのだそうです。そのせいかな、一つ一つの作品の印象がいつもより強く残っているのは。
展示室の大きめの空間に入ってすぐに感じたのは、展示作品、壁、そして鑑賞している人が、展示室という大きなフレームに入った、一つの作品になっているみたい、という、不思議な感覚でした。展示室にいたのは1時間ちょっとくらい。その間に3,4回、この感覚があったなぁ。自分の中からではなく、外から滑り込んでくるかのような感じでした。あまりこういうことはないので、この体験も興味深かったです。
長い方の辺の長さが3mを超える作品が多く、展示されていました。ここまで大きいとは思っていなかった。どうやって運んできたのかしら。。。
「カミオカンデ」も大きな作品の一つ。228.2cm×367.2cmという天井まで届きそうな写真作品です。グルスキー展のチケットやチラシに使われているのは、スーパーカミオカンデを題材にしたこの作品。検査・修理のために水が抜かれていたときに撮影したのだそうです。光電子倍増管が一面に並んでいて、その一つ一つの中に全体が映りこんでいるという、マクロ的でミクロ的なところがいいな。
音声ガイドをお借りしました。ナビゲーターは石丸幹二さん。ガイドのBGMもグルスキー氏による選曲とのこと。特別収録されていたのは、Jin Choi「Carnivores(original mix)」でした。展示リストにある程度の解説は書かれているのですが、私は音声ガイドの方が頭に入ってくるし、世界に浸らせてもらえるから好き。
気に入った作品を、忘れないように、いくつかメモしておきます。
ランウェイを歩くモデルさんをとらえた「V&R」という写真がありました。これって、同じモデルさんが何か所にも写っているのですよね。実物を見て初めて気づきました。すごいなぁ。他には、18階分(←たぶん)の建物の中の人の様子が映っている「メーデー V | May Day V」や、2001年9月11日から延期され、13日に開催されたマドンナのコンサートの様子を空から写した「マドンナ I | Madonna I」という作品が印象に残りました。「マドンナI」は6つエディションがあるそうで、その1つめはマドンナに贈られたそうです。
解説の中にもありましたが、舞台を見ているようだと感じる作品がいくつもありました。たとえば、「フランクフルト」はフランクフルト空港で一日中撮影した合成写真。そして前述の「V&R」。好きだなぁ。
絵筆のようにカメラを使用する、まるで画家のような写真家と言われているアンドレアス・グルスキー。その理由を少し、体感できたんじゃないかしら。
ANDREAS GURSKY
アンドレアス・グルスキー展
東京展: 2013.07.03-09.16 / 国立新美術館
大阪展: 2014.02.01-05.11 / 国立国際美術館
web: 展覧会公式HP: http://gursky.jp/
国立新美術館HP: アンドレアス・グルスキー展
アンドレアス・グルスキーの日本初の個展が開催されると知ったのは2月。やっと行くことができました。初めて見たときの印象が強かったから、行きたかったのよね。会期終了間近になってしまったので、無理やり出かけてしまいました 午後はお仕事へ。
あー、もう一度、行きたいかも。
ニューヨークのオークションで、史上最高額となる430万ドル(約3億3300万円)で落札された写真作品「ライン ll | Rhein ll」も展示されていました。川の向こう側に映っていた建物を、デジタル技術で消し去ったとのこと。どんなふうに作品をつくっているのかしら。ドイツ語が分からないですが、以下の動画で少し知ることができました。「ハム、東鉱山 | Hamm Bergwerk Ost」の制作の様子なんじゃないかと思います。
Andreas Gursky -- Long Shot Close Up - YouTube
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国立新美術館で開催中の
「ANDREAS GURSKY/アンドレアス・グルスキー展」に行って来ました。
「グルスキー展」公式サイト:http://gursky.jp/
→「史上最高額」の写真家、アンドレアス・グルスキーの日本初の展覧会が開催されます!
これまでグルスキー作品を観た記憶があるのが、以下の3つの展覧会。
「ドイツ写真の現在 ―かわりゆく「現実」と向かい合うために」
東京国立近代美術館 2005年
「舞い降りた桜 ザハ・ハディドとめぐるドイツ銀行コレク... [続きを読む]
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会期は9月16日(月・祝)まで、火曜日が休館日です。
ドイツの現代写真を代表する写真家、アンドレア...... [続きを読む]
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本日4/27、国立国際美術館にてアンドレアス・グルスキー展を鑑賞しました。この展覧会は5/11まで国立国際美術館で開催中です。いま詳しい内容や批評を読みたくない人はここから下は読まないでください。
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