女性活用の前に、「男時間」な働き方を見直すべき
「自分で言うのもなんですが、寸暇を惜しんで死ぬほど集中して働いています。世間では、育休という権利ばかりを主張するワーキングマザーへの批判が多いみたいですけど、そういうのってごく一部で、多くの人は周りに迷惑をかけないように、昼食の時間も削って頑張っているじゃないでしょうか」
おそらく寸暇を惜しんで働いているワーキングマザーは多いのではないか。しかしながら、昼食の時間を削って成果を挙げても、効率よく働いても評価されないという話を聞いたことがある。残業時間の長さで評価されるからだそうだ。この仕組みだと、時短勤務となれば、それだけで評価は低くなるわけだ。
上で引用させていただいたのは、日経ビジネスの以下の記事に書かれている、あるワーキングマザーの発言である。
「時短なんて甘ったれるな?」 “マタハラ”に遭うワーキングマザーの苦悩:日経ビジネスオンライン(2013年07月23日)
ワーキングマザーの敵はワーキングマザー。この一例がこの記事には書かれている。その昔、一人目妊娠中のときに、不安な気持ちを先輩ワーキングマザーに相談したことがあった。そのときに、たっぷりとダメ出しされ、バッサリとやられてしまった。敵だとは思わなかったけれど、少なくとも味方ではないなと思った。ワーキングマザー同士だからといって、価値観までも同じであるわけがないということを、その経験から学んだ。という経験を持つ私は、この記事に書かれているある女性の例が他人事には思えず読んだ。
この記事は、様々な立場の視点から考察したのち、育児や出産で女性が会社を辞めなくともいい制度を整える前に、「男時間」な働き方を見直すべきと主張し、結んでいる。何かと女性活用にばかり目が向けられるが、そうではなく、24時間戦えますか(古っ)的な働き方に警鐘をならしているのだと感じた。
大体これだけ女性の生き方や働き方が変わったにもかかわらず、会社という組織での働き方が旧態依然としていること自体に、問題の本質があるのだよ。
女性活用だの、育児や出産で女性が会社を辞めなくともいい制度を整える前に、男社会ならぬ、男時間「タイム・マッチョ(Time macho)」な働き方を見直すべき。
ちなみに、タイム・マッチョとは、男社会の働き方を示すのに、米プリンストン大学教授のアン・マリー・スローターさんが、「why women still can’t have it all」という論文の中で用いた言葉なのだそうだ。引用元の記事を書かれた健康社会学者の河合薫さんが、そう紹介されている。うまく表現された言葉だと思う。
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