風疹ワクチン不足の懸念、接種に優先順位を
厚生労働省は、6月14日、都道府県、医療機関にあてて、風しんの予防接種の取扱いについて協力依頼を出しました。現在の接種状況が継続した場合、今年の夏にはMRワクチン(麻疹・風疹ワクチン)が一時的に不足する懸念があるため、妊婦の周囲の人、妊娠希望者・妊娠する可能性の高い人を優先してほしいという内容です。
風疹の任意予防接種の接種者数は、推計では、例年、年間30万回程度なのだそうですが、今年は5月だけで月間約32万回と急増しているのだそうです。これが、今回の協力依頼の背景にあるようです。
では、なぜ、今年、接種者数が急増しているのか。以前、このブログでも紹介しましたが、今年は、首都圏を中心に、例年にないくらいの勢いで風疹が流行しているからです。
2013年第22週までの風疹累積報告数の推移は、グラフでみると以下のとおり。赤い線が今年の状況ですので、例年に比べてどれだけ猛威を奮っているかがグラフの傾きから感じられますね。
グラフの出展: 国立感染症研究所 - 感染症発生動向調査(IDWR) 2013年第22週速報グラフ (PDFファイル)
厚生労働省は、とくに、妊婦さんの同居家族、妊娠を希望する女性・妊娠する可能性の高い女性に、予防接種を受けることを検討してほしいと呼びかけてきています。
妊婦さんが感染すると、おなかの中の赤ちゃんが難聴、心疾患、白内障などの「先天性風しん症候群」という病気になってしまうことがあるからです。ですので、妊婦さんの同居家族が風しんの予防接種を受けることは、赤ちゃんを守ることにつながります。
妊娠中は風しんの予防接種を受けることはできません。女性は妊娠前に予防接種を。
このブログの関連記事
- 風しんの予防接種で未来の赤ちゃんを守れます。 (2013年03月13日)
関連情報へのリンク
« 子宮頸がんワクチン、接種呼びかけ一時中止へ | トップページ | 子宮頸がん予防ワクチンに関するQ&Aとリーフレットが公開されました »
« 子宮頸がんワクチン、接種呼びかけ一時中止へ | トップページ | 子宮頸がん予防ワクチンに関するQ&Aとリーフレットが公開されました »
コメント