「マウリッツハイス美術館展」、フェルメール鑑賞とお絵かきボード
「マウリッツハイス美術館展」で、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を観てきました。私の場合、フェルメールといえば、小説「ハンニバル」
を思い出します。ハンニバルの中に、世界の美術館に点在するフェルメールの作品を見て回る男性が書かれているから。世界中の人を惹きつけてやまないというフェルメール。ハンニバルのその部分を読んで以来、機会があれば、フェルメールの作品を直接感じてみたいと考えていたからです。
マウリッツハイス美術館展
オランダ・フランドル絵画の至宝
http://www.asahi.com/mauritshuis2012/
場所: 東京都美術館 企画展示室
会期: 2012年06月30日~2012年9月17日
twitter: http://twitter.com/mauritshuis2012
展示室の中に入るのに30分くらい、「真珠の耳飾りの少女」を最前列で見るために20分くらい並んで待ちました。フェルメールの人気をカラダで感じました。
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」は、 印刷物で見るのよりもずっと、全体的にキラキラしているんですね。私がイメージしていたのよりも、作品が小さかったですし、描かれている少女も幼いように思いました。モデルがいたわけではなく、想像上の人物なのだとか。
描かれている少女が頭に巻いているターバンの青色は、ラピスラズリを砕いて作られたウルトラマリンを使っているとのだそうです。いつもラピスラズリのブレスレットをしている私は、なんか、ちょっと親近感を持ってしまいました(^^;
最前列は作品から1mちょっとくらいの場所で観ることができます。しかしながら、立ち止らないで進む必要がありました。じっくりと観たいのであれば、1列目の人の肩越しに観る方がオススメ。列に並ぶ必要もありません。とはいえ、やっぱり混雑はしていますが。
最前列で見るための列は、1階展示室に入ったあたりから始まります。列は、東京ディズニーランドの待ち行列のように、行ったり来たり、往復しながら、展示室の奥へと進んでいきます。最前列にたどり着くまで、5往復ほど(^^; 私が行ったときは、平日の午前中だったのですが、20分くらい待ちました。午前中よりもお昼の方が、待ち時間が短い傾向があるようです。過去の混雑状況が参考になるかも。
何よりもうれしかったのは、涼しさ!外は30度を超える暑さでしたが、美術館の中はひんやりとしていました。
◆こどもプログラムとお絵かきボード
さて、マウリッツハイス美術館展には「こどもプログラム」が用意されています。7月21日から8月31日までの夏休み期間は、「お絵かきボード」の貸出サービスがあります。絵をよく見て描いてみると、作品をじっくりと見ることができるからなのだそうです。小学生くらいまでが対象の様子。これ、結構、いいんじゃないかと、私は思います。なぜなら、子どもが本物に触れるきっかけになると思うから。
フェルメール、ルーベンス、レンブラントとか聞いても、子どもは美術館に行こうとは考えないですよね。小学校低学年くらいまでの子どもなら、お絵かきできるって聞いたら、じゃ行く、ってことになるんじゃないかと。
キッズ・プログラムは、オフィシャルサイトからダウンロードできます。中学生以下は観覧無料。会場の券売所に行ってキッズ・ガイドを見せると、付き添いの大人2名までが、当日料金から100円引きになるのでお得です。
夏休み美術館体験 マウリッツハイス美術館展
キッズ・ガイド(PDFファイル)
お絵かきボードは、下の写真のような感じ。
この日は、年に一度の通院前の時間を使って展覧会に行ったので、私は子連れではなく、おひとり様でした。ですので「お絵かきボード」は借りませんでした。こどもプログラムに参加したわけではないので恐縮ですが、保護者として私が感じたことを以下に書きますね。
子連れで展覧会に行ったことがありますが、うちの子たちは、上の子も下の子も、私が勧めたわけでもないのに、自分のノートを取り出し、ソファーでお絵かきしていました。見ながら描いていたわけでなく、見た作品とは異なるものを書いていました。本物に接することは、作品を理解するには至らなくても、子どもたちに何かを感じさせるのだと感じました。そのときのその経験からも、「お絵かきボード」ってよさそう。
展示会場の中の、どこでもお絵かきしていいわけではなく、お絵かきできる場所が決まっています。全部で4箇所。ロビー階で1箇所、1階に1箇所、2階に2箇所です。私が会場にいる間で、お絵かきボードを持っているお子様には会いませんでした。ベビーカーの親子連れには、何組かお会いしたのですが。
残念だなぁと思ったことが2つあります。
1つめは人が多すぎること。お絵かきOKな4箇所には「こどもがいたら おえかきさせてね」との表示がしてあるのですが、これを実現してあげるには、展示作品が魅力ありすぎなせいか、混雑しすぎなように思いました。
2つめは子ども向けの説明文。親と子が一緒に作品を楽しむためのアプローチとなる文章が書かれているのですが、私は、もうちょっと書いてほしいなと感じました。たとえば、ホーフェルト・フリンクの「椅子の傍らの少女」。この作品の前は、お絵かき指定場所の一つです。作品の子ども向け説明には「…略… あれ、たなの上の白いものは、何だ?」と書かれているのですが、答えが書かれていないのです。たとえば、大人向け説明文の中に書かれているといいんじゃないかと思うのですが、子どもに質問されてもフツーの大人には答えられませんそれはそれでいいのでしょうけれど。
◆オフィシャルサポーターは武井咲さん
マウリッツハイス美術館展のオフィシャルサポーターは武井咲さん。記者発表の折には、「21世紀の美少女」武井咲さんが、「17世紀の美少女」であるフェルメール「真珠の耳飾りの少女」に扮したそうですね。そのときに身につけていた衣装が、2階の展示会場を出たところに置かれていました。ここは写真撮影OKの場所なので、記念写真を撮る方々が結構いらっしゃいました。武井咲さんは、音声ガイドのスペシャルガイドも担当されており、音声ガイドの中でも17世紀のオランダの少女を演じています。
展覧会のCMはこちら(↓)。
武井咲さんがフェルメール「真珠の耳飾りの少女」に。 - YouTube
◆その他の感想
ルーベンスの「聖母被昇天(下絵)」も展示されています。この絵は、「フランダースの犬」に関係のある絵ですね。「フランダースの犬」を知っている人なら、興味を持ってみれる作品だと思います。下絵ということで小さめでしたが、完成作は5mにも及ぶそうです。
グッズ売り場には、気になっていた絵本「こどもと絵で話そう ミッフィーとフェルメールさん」が置かれていたので、ざっと読んでみました。買うつもりでいたのですが、買わずに帰ってきてしまいました。親子で一緒に楽しめるように、という意図の、あまりない類のいい絵本だと思います。ですが、私がナビゲートしてあげても、うちの子どもは1回は読んでも2回は読まないのではないかと考えたから。年齢的に親のいうとおりではなく、自分の好きなことをやる傾向が強くなってきてるためです。もうちょっと子どもが小さかったら、この絵本、買っていたかも。
待ち時間も含めて、2時間くらいの美術鑑賞でした。
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