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2012年2月26日

接写のフルコース

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接写のフルコース
 木原和人著 日本カメラ社(1981年)

4年前に古本で購入。以来、読んでいなかった。“KAZUTO KIHARA”とボディに書かれたランドクルーザーを、中学生か高校生だった頃、実家で何回も見たことがある。この本には、そのランドクルーザーの写真も載っている。『接写のフルコース』を買ってから長い時間読めなかった理由の一つが、ここにある。

ネイチャー・フォトグラファー木原和人さんの撮った花の写真が、北杜市の実家には今でも飾られている。父によれば、北杜市で撮影した写真が、木原さんの写真集には載っているのだそうだ。

木原さんとの思い出は、実家の父と弟のものだ。私はご挨拶したことがあるだけ。木原さんのランドクルーザーを、勉強机のあった部屋から見たことがあるだけだ。何回も。何回も。

木原さんは、1987年、40歳のときに亡くなられた。悲しい知らせは、母からきいて知った。ちょっと前まで何度も訪ねてきてくれていた人の死について、何をどう考えてどうしたらいいのか分からなかった。だから考えないようにした。木原さんと一緒にログハウスを建てていた父は、どんな気持ちだったのだろう。撮影に同行させていただいた経験のある弟は、どんな気持ちだっただろう。

それからたくさんの時間が流れた。

4年前のある朝、会社へと向かう電車の中で、木原さんのことが、突然、頭の中に飛び込んできた。それをきっかけにインターネットで調べてみた。ちょっと調べただけでも、木原さんの影響を受けた方が多くいることが分かった。接写のバイブルとして、『接写のフルコース』を読み返している方もいらした。木原さんも、木原さんの写真も、“生きている”ことを知った。

調べている途中で、木原さんの写真が掲載されているWebサイトを見つけた。
木原和人 - Kihara KAZUTO
  (株式会社アイノア フォトライブラリー)
久しぶりに、木原さんの写真を見た。衝撃的だった。言葉が出なかった。そして、絶版になっていた木原さんの著書『接写のフルコース』と『光と風の季節』を、古本で入手した。本の扉を開けてみた。あのランドクルーザーの写真が載っていた。

そこで気持ちが固まってしまった。
本を閉じてしまった。

あれからまた時間が経った。4年前にはなかった、デジタル一眼レフカメラも、マクロレンズも、今は手元にある。素敵な写真を撮る知人もいれば、私にアドバイスしてくれる仲間もいる。

この前、マクロレンズを使った時に、『接写のフルコース』のことを思い出した。今度こそ、読んでみよう。今度こそ。

『接写のフルコース』には、私が昔から好きな作品「ガーベラ」も載っている。水滴の中に映るガーベラは素敵だ。自分にはこういう写真は撮れないだろうと考えていた。でも、これから徐々に学んでいったら、撮れるかも、私にも。

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