« 映画「マジック・ツリーハウス」を観てきました。 | トップページ | 少子化対策・男女共同参画担当大臣に岡田さん »

2012年1月12日

日本郵便が「ゆうメール」商標権侵害の判決を受けたのはなぜ?

広告を送る場合には、「ゆうメール」という名前を使わないように、という判決が、郵便事業株式会社(通称“日本郵便”)に出されたのだそうです。「広告を送る場合には」と限定されているのが、気になりますよね。そこで、「特許電子図書館」のWebサイトで、商標「ゆうメール」について調べてみました。

判決 「ゆうメール」は商標権侵害
日本郵便=郵便事業会社が行っている「ゆうメール」という冊子などを配達するサービスの名前について、東京地方裁判所は、札幌市のダイレクトメール業者の商標権を侵害していると認め、日本郵便に対して、ダイレクトメールなど広告を送る場合は、「ゆうメール」という名前を使わないよう命じました。
引用元: NHKニュース(2012年01月12日)

以下について、書いています。

  • 商標を検索するには
  • なぜ「広告を送る場合」にだけ商標侵害なのか

◆商標を検索するには

まず、「特許電子図書館」のWebサイトにアクセスします。

clip 特許電子図書館
  http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl

Ipdl01

次に、トップページの中央にある「初心者向け検索」をクリックし、「商標を検索する」をクリックします。

Ipdl02

または、トップページの中央にある「初心者向け検索」の上にマウスを乗せるとメニューが表示されるので、「2.商標の検索」を選択します。
→ 「商標を検索する」の画面が表示されます。

Ipdl03

「商標の文字」で検索したいため、「ステップ1」ボタンをクリックします。

Ipdl04

「ゆうメール」と全角で入力し、「検索実行」ボタンをクリックします。

Ipdl05

5件、ヒットしたようです。
「一覧表示」ボタンをクリックします。

Ipdl06

項番1,2,3,5が「ゆうメール」。この4つの項番の商標検索結果の抜粋は、この記事の下の方に書いています。

さて、引用元のニュース記事によれば、

この裁判は、平成19年に日本郵便が民営化で発足した際に、冊子やカタログなどを、通常の郵便より安く配達する「冊子小包」を「ゆうメール」という名前に変えたことについて、その3年前に、「ゆうメール」を商標として登録していた札幌市のダイレクトメール業者が、商標権を侵害していると訴えたものです。
引用元: NHKニュース(2012年01月12日)

とのこと。項番1の検索結果から、上記の引用記事のとおり、日本郵便の民営化の3年前に、商標「ゆうメール」が登録されていたことがわかりました。one

興味深かったのが、日本郵便の商標出願。民営化は平成19年。その3年前の平成16年に、「ゆうメール」を商標出願していたのですね。項番2と項番3の検索結果で分かりました。two

◆なぜ「広告を送る場合」にだけ商標権侵害なのか

株式会社札幌メールサービスの商標「ゆうメール」と、郵便事業株式会社の商標「ゆうメール」の違いは、商標の対象となる商品・サービス、つまり対象分野です。対象の商品・サービスが違えば、同じ商標を登録できるのです。

では、具体的に、商標検索結果の抜粋を見てみましょう。

商標の対象分野は、【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】を見ると分かります。株式会社札幌メールサービスの商標「ゆうメール」は区分「35」three、郵便事業株式会社の商標「ゆうメール」は区分「39」と「16」four。違っていますね。

区分「35」については、郵便事業株式会社(日本郵便)は商標の権利を持っていません。このため、区分「35」に該当する商品・サービスには、日本郵便は、商標「ゆうメール」を使えないのです。

では、区分「35」(国際分類版表示 第8版)が何かというと、以下のとおり。

35 各戸に対する広告物の配布,広告,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,広告用具の貸与

日本郵便は、広告を送る場合には、「ゆうメール」という名前を使ってはいけないという判決が出されたのは、ここに関係していそうです。

  pen 商標検索結果の抜粋
    ※検索は「特許電子図書館」で実施。

項番1:【商標登録番号】第4781631号
【出願日】平成15年(2003)4月30日
【登録日】平成16年(2004)6月25日one
【権利者】株式会社札幌メールサービス
【国際分類版表示】第8版
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】35three 各戸に対する広告物の配布,広告,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,広告用具の貸与five

項番2:【商標登録番号】第4820232号
【出願日】平成16年(2004)4月8日two
【登録日】平成16年(2004)11月26日
【権利者】郵便事業株式会社
【国際分類版表示】第8版
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】39four 鉄道による輸送,車両による輸送,船舶による輸送,航空機による輸送,郵便,メッセージ又は小荷物の速配,メッセージの配達,物品の配達,通信販売者からの受託による商品の配送,新聞の配達,小荷物の配達,小荷物の梱包

項番3:【商標登録番号】第4821741号
【出願日】平成16年(2004)4月8日two
【登録日】平成16年(2004)12月3日
【権利者】郵便事業株式会社
【国際分類版表示】第8版
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】16four 印刷物,封ろう,荷札

項番5:【出願番号】 商標出願2010-46830
【出願日】平成22年(2010)6月14日
【出願人】【氏名又は名称】郵便事業株式会社
【国際分類版表示】第9版
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】35 広告,各戸に対する広告物の配布,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,求人情報の提供,小荷物・書類その他の配達物の宛名書き・封入・料金計算・発送・仕分け又は受取りの代行

この記事では、日本郵便が「ゆうメール」商標権侵害の判決を受けたのはなぜか、私なりに考えてみました。以前、他の記事で、商標の「初心者向け検索」と、対象分野が違えば同じ商標が使えることについて、紹介させていただいたのですが、自分の復習のつもりで、もう一度、まとめてみました。商標のことを後輩に簡単に説明する際などに、今回の「ゆうメール」の件は、実際にあった例として紹介できそう。分かりやすい例だと思います。

「特許電子図書館」には、「初心者向け検索」ではない検索も用意されているのですが、たまにちょっと調べてみる程度でしたら、「初心者向け検索」で十分ではないかと私は思います。

さて、日本郵便さんは控訴するようですね。今後の展開も気になります。

pencil このブログの関連記事

« 映画「マジック・ツリーハウス」を観てきました。 | トップページ | 少子化対策・男女共同参画担当大臣に岡田さん »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3781/53721892

この記事へのトラックバック一覧です: 日本郵便が「ゆうメール」商標権侵害の判決を受けたのはなぜ?:

« 映画「マジック・ツリーハウス」を観てきました。 | トップページ | 少子化対策・男女共同参画担当大臣に岡田さん »

selected

Books

access


  • 旅行口コミ情報「トリップアドバイザー」で、おすすめブロガーに選んでいただきました!
    甲府 - 旅行ガイド 【トリップアドバイザー】
    旅と街歩きの記録はこちら



    RSS feed meter for http://windy.air-nifty.com/note/  
    since April 11, 2005

最近のトラックバック

My 体験談