東北復興サポートツアー2日目:3)地元の方との交流会
東北復興サポートツアーの参加レポートのつづきです。復興支援活動の後、ボランティアセンターに戻って夕食を頂きました。地元の方やRQ歌津のみなさんと一緒。他のツアー参加者とも、打ち解けた雰囲気になりました。
東北復興サポートツアー
2日目:3)地元の方との交流会
夕方は、地元の方との交流会。地元の大工さんが、東北地方太平洋沖地震の津波の時の話をしてくださいました。近所に住むお婆様も来てくださいました。ツアーで来ている私たちのために足を運んでくださり、話をきかせてくださったことを、とてもありがたく感じました。
大工さんのお話は、「先人から受け継がれてきた知恵を大切に」というメッセージが強かったと、私は感じました。とても考えさせられる内容でした。お話が終わった後も、もっとお話をききたくて、ツアーに参加していた子どもたちが、おじ様とお婆様を囲む姿も見られました。子どもたちのココロにも届いたんじゃないかな。きっと。
◆地元の方の話(概要)
うかがったお話は、以下のような内容でした。お話の中から私が受け取った内容を書き出していますので、うかがったときの言葉そのものではないです。ご容赦ください。
◇ ◇ ◇
数字はあてにならない。
「地震の後は、津波が来る」
「地震が来たら、高い所に逃げろ。」
昔の人たちが言ったことが、正しい。
地震の後、津波が来た経験は、今までもあった。地震の後、津波の到着予想時刻と高さが速報されるが、実際に来た津波の高さは、予想よりも低いことが、ずっと続いてきていた。3mの津波が来るとの予想であっても、実際には1mくらい、というように。こういう状態が続いてきたから、それに慣れてしまった。3月11日の地震のときも、予想よりも高い津波がくるとは考えていなかった。
沿岸には、防波堤が作られていた。東北地方太平洋沖地震の直後、高さ6mの津波警報が出た。その高さの津波が来たとしても、防波堤の高さ(5m)を考えると、防波堤を超えるのはそれほどでもない。だから、大きな被害にはならないだろうと考えた。次の日も、同じ場所で、同じように仕事ができるだろうと考えた。
翌日も仕事できるように、親戚の片づけを手伝い、避難場所に逃げた。その直後、想定外の大きな津波が来た。自分たちは、ギリギリのところで逃れることができた。しかしながら、となりで片づけしていた二人は、未だに行方が分かっていない。あんなに大きな津波がくると分かっていたら、片づけなどせずに、大切なモノをもっと持って逃げたのに。そう、親戚の人は言っていた。俺たちは、いったい、何をやっていたんだろう。
チリ地震のときは、小学校にいた。海水が沖に引き、浜となった場所で、魚を拾った。その後、高い場所に逃げた。そして津波がきた。
テレビや携帯電話などで、簡単に情報を得られる時代になった。地震後の津波予測も報道されるようになり、偉い人たちの言っていることを、誰でも入手できるようになった。技術の進歩は良い面も多いが、その反面、良くない部分も出てきているのではないか。
自分で判断し、自分で行動することが求められていると思う。
東北地方太平洋沖地震の数日前に地震があった。その時も、津波が来た。報道では、津波の高さは60cmだったけれど、実際には140cmの津波が来ていた。140cmの津波が来ていたことが報道されていたら、数日後の東北地方太平洋沖地震のときの行動も、変わってきたかもしれない。
先人の知恵を、活かせなかった。
私たちは、自然の中に家を建て、自然の中に住んでいる。だから、自然との共存を考えることは大切だ。自分は大工だ。大工の仕事は、家を建てることだ。大工も、自然と共に生きるコツを、先人から受け継いできている。
昔の人たちが言ったことが正しい。
数字はあてにならない。
「地震の後は、高い所に逃げろ。」
ただ、それだけだ。
◆お話をお聞きして(感想)
自然との共存の話を、このツアーでお聞きするとは思ってもいませんでした。朝のオリエンテーションのときにも、似た感覚を覚えました。この日の経験から、いろんなことが、いろんなところで、いろんなふうに、つながっているんだな、と、再認識しました。ひと回り大きな枠でモノゴトみるように、もっと視野を広げていきたいな、と感じました。
実家の父と似たお仕事で、同じくらいの年齢の方が話をしてくださったので、なおさら、私のココロには沁みました。
宿泊先のホテルに戻る時刻になるまで、おじ様とお婆様を囲む輪がありました。その輪の中に、ツアーに参加した中・高校生が何人もいたことが、印象に残りました。みんなのココロに残るね、きっと。
南三陸・歌津の絆Tシャツに添えられていた、手書きのメッセージ。
「ありがとうございます」「感謝いたします」
こちらこそ。気付きと学びを頂けたから。
バスで、宿泊先のホテルがある仙台に戻ります。
旅の夜。東の空にオリオン座。
関連情報へのリンク
「親子で行く東北復興サポートツアー」参加レポート
・ はじめに
・ 準備:参加の目的
・ 準備:ボランティア活動保険に入る
・ 準備:災害ボランティア用品をそろえる
・ ツアー:1日目:移動日
・ ツアー:2日目:1)オリエンテーション
・ ツアー:2日目:2)復興支援活動
・ ツアー:2日目:3)地元の方との交流会
・ ツアー:3日目:世界遺産「平泉」見学
◆東北復興サポートツアー2日目 on Twitter
ツアー中、位置の記録を残すために、foursquareとツイッターを使っていました。以下はその記録です。
- 仙台の朝。 http://t.co/mAwEFM1g
posted at 05:44:11 - 活動場所に向けて出発。
posted at 07:19:13 - I'm at 泉IC (七北田字大沢柏47, 東北自動車道, 仙台市泉区) http://t.co/NG4Iogr7
posted at 07:39:43 - 移動中。 (@ 三陸自動車道 石巻港IC) http://t.co/U4bIdaa3
posted at 08:17:51 - I'm at 三陸自動車道 登米東和IC (東和町米谷, 登米市) http://t.co/CY273ZRt
posted at 08:45:33 - I'm at RQ 歌津 (日本, 南三陸町) http://t.co/SeDGEDqB
posted at 09:40:40 - I'm at 三陸自動車道 登米東和IC (東和町米谷, 登米市) http://t.co/aVyY7ZFJ
posted at 19:16:16 - I'm at 仙台宮城IC (郷六字庄子40, 東北自動車道, 仙台市青葉区) http://t.co/QbZeDJG4
posted at 20:32:25
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