グイン・サーガ 第130巻「見知らぬ明日」
グイン・サーガ 第130巻「見知らぬ明日」を購入。未完のストーリーとなったグイン・サーガは、この第130巻が最終巻だ。著者の栗本薫先生がお亡くなりになったのは、5月末のこと。それ以来、覚悟してきたつもりだったけれど、書店で第130巻を手にしたとき、ショックだった。薄いのだ。いつもの半分くらいしかない。そして本文最後の141ページには“(未完)”の文字列が。
栗本先生がお亡くなりになったのは、5月末のこと。「グイン・サーガ」は最後まで語られることはない。残念としか言いようがない。
誰かが、グイン・サーガの続きを書いてくれるといいなと、ずっと思ってきた。他の誰かが書いてくださったとしても、それは、グイン・サーガではなくなってしまう気がしていた。
でも、時間が経つにつれて、考えが変わってきた。やっぱり、誰かが、グイン・サーガの続きを書いてくれるといいな、って。
第128巻、第129巻にはあとがきがなかったが、第130巻の最後には、今岡清氏による「解説」があった。その中に、以下の文章を見つけた。
……誰かがこの物語を語り継いでくれればよい。どこかの遠い国の神話伝説のように、いろいろな語り部が語り継ぎ、接ぎ木をし、話をこしらえ、さらにあたらしくして、いろんな枝を茂らせながら……
引用元: グイン・サーガ 第130巻「見知らぬ明日」 解説
それもいいな。まるで、複数の人の手が入っていると言われている「源氏物語」のようだ。
誰かがこの物語を語り継いでくれて、第131巻が発売されたなら、私もまた、読み継いでいくと思う、きっと。いつの日か、私の本棚に、大量のグイン・サーガを見つけた子どもたちが、読み始め、読み継いでいくなんてこともあるかもしれない。
とか、考えていたら、ウルウルと涙が出てきてしまって、発売日の昨日は、読めなかった。今日、通勤途中のどこがで、読むつもり。いろんな思いを胸にしながら。
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