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2009年6月12日

グイン・サーガ 第127巻「遠いうねり」

昨日、乗り換え駅で、グイン・サーガ 第127巻「遠いうねり」を購入した。青色の帯に、「栗本先生、すばらしい物語をありがとうございました。」と書かれているのを見つけた。
栗本先生がお亡くなりになったのは、先月末のこと。ショックだった。「グイン・サーガ」は最後まで語られることはない。青色のカバーの言葉に、その事実を否が応でも感じずにはいられなかった。そんなことを考えていた私の前で、店員さんがテキパキと、でも丁寧に、カバーをかけてくださった。青色の帯が、カバーに隠れて見えなくなった。私の気持ちも一緒に包むように。

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電車に乗った。第127巻のあとがきから読み始めたら、そこにお亡くなりになる1か月前の栗本先生がいらした。その文章を読んで、グッときた。あとがきの文章から推測するに、栗本先生、やっぱりグインをお書きになりたかったのだろうな。きっと。

私が先生に言葉を送るとしたら、やっぱり、「ありがとう」。グイン・サーガは、私の逃避場所の一つだったから。
大学生だった頃、独身だった頃、辛いことがあると、どうしたらいいのかわからなくて、よく本の中に逃げ込んでいた。そんなとき、長編小説はとってもありがたかった。読み始めれば、しばらくはその世界に浸っていられるから。たまたまグイン・サーガが近くにあったからなのだけれど、グイン・サーガの最初の何十巻かは、何回も読み返した。

最新刊は第127巻。ここまで来る途中、あとがきを読まないようにした時期もあったし、早く先に進めてくれないかなぁと思うこともあった。最後はどうなるんだろう?それを知りたくて、ずっと読んできた。最近、また面白くなってきていたから、栗本先生がお亡くなりになられたことは、やっぱり残念。

アガサ・クリスティは、自分の死後に備えて、ポアロの死が描かれている「カーテン」を、彼女の推理小説家としての絶頂の時期に、前もって書いておいたのだときいた。栗本先生、もしかしたら、「豹頭の花嫁」とタイトルが決まっている最終巻だけ、先に書いていらしたとかってないかな。同じ職場の、グイン・サーガを知る方々と話をしていて、ふと、考えた。

誰か、グイン・サーガの続きを書いてくれるといいなと思う反面、もしそうなったとしたら、栗本先生の物語ではなくなるだろうな。そう考えると、今手にしている本を、静かに、大切に読ませていただくことの方が、いいかもしれないな。

あと数巻は、グイン・サーガを読めるとのこと。今までどおり、楽しみに待たせていただこうと思う。

栗本先生、ありがとうございました。

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コメント

私はすっかり読まなくなってしまった(図書館で栗本先生の作品がなかなか借りられないというのも大きいですが)のですが、グインの最後はどうなるんだろう、と、ずっと思っていました。
本当にありがとうございましたと私も言いたいです。

★ことなりままっちさん
グインの最後、気になりますよね。大きく広げられた風呂敷を、どんなふうに折りたたんで結末にもっていくのか、という点に興味があったのですが。最近、面白く読めていたので、なおさら残念に思います。
コメント、ありがとうございました。

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