「宇宙においでよ!」~宇宙へのガイドブック~
目次にたどり着く前の10ページくらいを読むのに、こんなに時間がかかったのは初めてかもしれません。見開き2ページの写真と添えられた数行の文章、それから、宇宙服の図解イラスト。「宇宙においでよ!」と誘われた私は、野口聡一さんにあっという間に連れ出されていたのでした。
宇宙での船外活動の最後に、国際宇宙ステーションのてっぺんによじ登っていった。目の前でゆっくりと地球が回っている。まるで地球という大海原を航海する船のマストの上に、自分が立っているようだった。今ここに立って、この風景を眺めることのできる人間は、地球の六十六億人の中でぼくだけだ。その幸運に感謝した。
引用元:「宇宙においでよ!」表紙カバー
「宇宙においでよ!」は、宇宙飛行士の野口聡一さんがご自身の体験を紹介してくれている本です。漢字にはふりがなが付いているので、小学校中学年くらいから読めると思います。特に、高学年の子どもたちに、向いている内容ではないかと思います。
章構成は以下のとおり。
第1章 ぼくの宇宙生活十五日間
第2章 お調子者の子どもが宇宙飛行士になるまで
第3章 これから ──君の宇宙
「第1章 ぼくの宇宙生活十五日間」は、まるで宇宙飛行士を密着取材したかのよう。宇宙で寝るときは寝袋を壁や天井にくくりつけていいということ。宇宙に行く前には宇宙食の試食会があること。そこで自分の好きな宇宙食を選べること。トイレは慣れないと大変だということ。スペースシャトルだけでなく宇宙ステーションにもお風呂はないことなど。野口さんの口を通して語られる宇宙生活は等身大で、興味深く読めると思います。
「宇宙においでよ!」のイラストは、とてもわかりやすく、親しみやすいですよ。スペースシャトル、クルー、宇宙服、宇宙ステーションなどが図解されていて、ユーモアのあるイラストが、読者の理解を助けてくれます。イラストを担当されていらっしゃるのは、植田知成さんです。
私がハッとさせられたのは以下の文でした。子どもたちだけでなく、保護者も、教えられることが多い本でした。
死と隣り合わせで、
命の輝きに満ちているからこそ、
地球は美しい。
引用元::「宇宙においでよ!」P.79
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