「パパ休暇」と「育休プラス」
厚生労働省がまとめた「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書」が公表されています。この報告書は、子育てしながら働くことが普通にできる社会の実現に向けての検討結果をまとめたもの。育児・介護休業法の改正につなげる案として、パパ休暇と育休プラスについて書かれています。
「パパ休暇」とは? 「育休プラス」とは?
◆パパ休暇とは?
出産後8週間に父親が取得する育児休業を、「パパ休暇」という愛称にしましょう、ということのようです。パパ休暇を取得すると、特例扱いとして、育児休業を再度取得できるように緩和することについても、報告書に書かれています。
◆育休プラスとは?
育児休業を取得できるのは、対象となる子どもが1歳になるまでです。これに対し、父親と母親の両方が育児休業を取得した場合、育児休業期間を延長することが検討されてきたようです。この延長期間が「育休プラス」。スウェーデン、ノルウェー、ドイツのパパ・クオータ制度を参考にしているとのこと。報告書によれば、育休プラスの期間は2か月程度になるようです。
育休プラスというネーミングがいいですね。まるで、携帯電話か何かの料金プランみたい。育休が身近に感じられるようになるかも。
パパ休暇と育休プラスについては、同報告書別紙4にある、以下の図が理解を助けてくれると思います。
出典: 厚生労働省:今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書 別紙4 父親も子育てにかかわることのできる働き方の実現
◆各国の子育て支援制度を比較
報告書の「参考資料3:諸外国における育児休業制度等」は、とても興味深い内容でした。イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、アメリカそして日本の制度について、一覧表で確認できるからです。他の国の制度と比較できるので、興味深く見入ってしまいました。
報告書の「参考資料5:諸外国におけるパパ・クオータ制度等」では、ノルウェー、スウェーデンそしてドイツのパパ・クオータ制度が紹介されています。日本が参考にしたい国々の制度ですので、こちらも興味深く見ました。これって、日本になじむのかな?
◆感想
「ワークライフバランス憲章」とともに公表された「仕事と生活の調和推進のための行動指針」の別紙1には、以下のような目標が書かれています。
男性の育児休業取得率
現状:0.50%→5年後: 5%→10年後:10%
育休を取得する父親が増えるためには、今以上の、職場の理解が不可欠だと思います。また、復職後に同じ仕事に戻れることを約束してくれるとか、育休期間は成果評価の対象に含めないとか、運用面でのルール作りと徹底が必要ではないでしょうか。これができれば、「パパ休暇」と「育休プラス」は、上記目標の達成に効果があるのではないでしょうか。
このブログの関連記事:
- 働く女性の子育て時間を確保し、男性の育児参加を支援する制度新設に(2008年06月14日)
- 短時間勤務制度を利用しにくい理由(2008年05月22日)
- 男性が育児休暇を取るためのコツは?(2007年06月29日)
- ドイツの父親5人に1人が「育児休暇」を申請(2008年06月18日)
関連情報へのリンク:
- 厚生労働省:今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書(2008年07月01日)
- 「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」(PDFファイル)
« NEC、在宅勤務制度を全社的に導入 | トップページ | 「病児保育」って、聞いたことありますか? »
コメント