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2008年3月 1日

「新待機児童ゼロ作戦」発表。でも、今、助けてほしい人は助からない

「新待機児童ゼロ作戦」が、
厚生労働省のWebサイトから公開されました。

10年後の目標として示されたのは、以下のとおり。

  • 保育サービス(3歳未満児)の提供割合
    現行 20%10年後 38%
    〔利用児童数(0~5歳児)100万人増〕
  • 放課後児童クラブ(小学1年~3年)の提供割合
    現行 19%10年後 60%
    〔登録児童数145万人増〕

3年間を集中重点期間として取り組むのだとか。

10年後に向けて改善された状態になってくれるのはいいけれど、今、助けてほしい人は助からないということを、もどかしく感じました。できるだけ早く、効果が出てくれるといいなと思います。

“新”待機児童ゼロ作戦」というからには、「“旧”待機児童ゼロ作戦」が、過去にあったわけで。作戦の内容が、見直されたようですね。

新と旧とで、どのように違うかは、大臣記者会見の中での、記者さんたちとのやり取りが参考になるかも。

(記者)
 2001年に小泉政権が出した旧プランなんですけれども、今回の新プランと旧プランで色々と違う点があると思うのですけれども、旧プランを色々やって来てそれでも待機児童はゼロになっていない訳ですが、今回、新たに盛り込んだ視点ですとか旧プランとの一番の大きな違いどんなところでしょうか。
引用元: 厚生労働省: 平成20年2月27日付大臣記者会見概要

      ◇      ◇      ◇

以下、私の体験談です。

我が家の場合。下の子は、保育園の待機児童になったことがあります。上の子は、放課後ルーム(学童保育)の待機児童になりかけました。定員オーバーという理由で放課後ルームに入れないとわかったときの日記は、以下のとおり。

定員のある話ですので仕方がないことだとは思ったのですが、特に、保育園の待機児童になったときは、毎日、どうしよう、どうしようって、不安で。電話帳やネットで探し、片っぱしから電話していました。「ウィメンズパーク」などのクチコミ情報も探しました。

市役所に電話しました。「保育園に入れないのはわかりました。無認可保育園とか、保育ママさんとか、託児所とか、紹介していただけたりはしませんか?」「市では、そういったことはしていないのです。」「自分で探すしかないってことですか?」「そういうことになります」

「入所できません」の通知に、「この処分に不服がある場合には、この処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に市長に対して、異議申立てをすることができます。」と書かれていたので、「“申立て”はどのようにしたらいいのですか?」と市役所に質問したら、「過去に例がないので、調べて連絡します」との回答が。。。預け先を見つけることに、力を注ごうと思いました。

隣り合わせている市の空き状況も調べました。会社までの通勤経路上にある認可保育園と託児施設もすべて調べました。自分の住んでいる市以外だと、保育料が高くなることも、このとき知りました。

私の勤めている会社には、企業内託児所があります。でも、すべての事業所に設置されているわけではありません。自宅からだと片道2時間もかかってしまうし、私の勤務していたビルからもやっぱり2時間くらいかかってしまう。つまり、企業内託児所が設置されているビルに勤めている人だけが恩恵を被れる施設なのです。

かなり苦しみました。

下の子が保育園の待機児童になったときは、育休の終了日を延長しました。幸運にも、1か月待っただけで、保育園に入れました。
上の子が放課後ルームの待機児童になったときは、年度が始まるまでにキャンセルが出たために、ラッキーにも入所できました。

あきらめないで、前向きに、いろいろとあがいていただけだけれど、そうこうしているうちに、周囲の状況が変わって、なんか、助けられてしまいました。あきらめなくてよかったなぁって、今でもたまに思い返すことがあります。

      ◇      ◇      ◇

苦しんでいる今、助けてほしい。
そういったときに助けてくれる環境がほしいな。

待機児童になったときも、旦那様が入院したときも、本当に助けが欲しかった時、心底、そう思いました。本当に必要なときに、使えれるはずの制度が使えなくて、あるといいなと思う制度はない気がしました。

そんなとき、私を助けてくれたのは、保育園の先生であり、行きつけの美容師さんの言葉だったり、友達だったり、兄弟だったり、実家の両親だったりしました。そして、その当時の管理職と同僚が、いろいろ言いたいことはあったかもしれないけれど、見守ってくれた(見過ごしてくれた、かな? ^^;)ことは、助かりました。

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コメント

私も、役所に「保育ママはないのか?無認可で年齢別の施設はないのか?認可で一時保育をしているところの空きはわからないのか?」と食ってかかりました(保育ママは自治体に1人もいなくて、今年度初の導入予定、無認可の年齢別のところは、折り返し教えてもらえましたが、約20施設の無認可のうちに4つしかありませんでした。認可の一時保育は、役所の管轄外ということで、自分で20園ぐらいにしらみつぶしに電話して、2歳児の空きは全滅でした(現在可能性がある1施設の返事待ち)。

こちらの地域は学童も少人数のため激戦、全児童の放課後教室は皆無、ファミサポは提供会員があまりに少ない、というかなりひどい状況です。待機児童も以前の自治体は全国のワースト5に必ず入っていましたが、それは無認可に通う、認可待ちの児童数も含めていて、どこにも通うところがないという私のような人はいなかったということです。地方間格差があるために、政府の待機児童ゼロ対策は、予算のない田舎の自治体にも、改善策を導入しようということであれば、歓迎です。

私も、長女が待機児童で無認可に通っていたときに、「どうしよう、どうしよう」とおもってネットで調べていて、そのときにwindyさんのブログを知りました。そして、自分もそういう人の為に自分の体験が生かせたらとブログを始めました。不思議な縁を感じます。

もし、待機児童がゼロになって、私のような思いをしない人が10年後にいなくなるなら、それは喜ばしいことだとおもいます。たとえ、今現在困っている私にとどかなくても、せめて、今後、こういう思いをする人がいなくなって欲しいと願います。

私自身ですが、windyさんの過去記事の「非公開のルール」のなかで、「入れなかったことに固執するのではなく、そういう状況の中でも、良い方法を見つけようとすること、できる努力をすることだと思う」という言葉に励まされました。私も、保育園の不服申し立ては、以前何度か使用と思いましたが、その労力を当たらし方向に使おうとおもって辞めた経験があります(笑)。

上のコメントで、「使用と→しようと」、「当たらし→新しい」の変換ミスしました(笑)。

読み直して「本当に必要なときに、使えれるはずの制度が使えなくて、あるといいなと思う制度はない気がしました」という部分で思い出したのですが、こちらの一時保育は認可に入れなかったパートの人が常態的に使うのが通常のようです。以前の地域では、リフレッシュとか、これから職を探す人とか、冠婚葬祭とか、病児とか、第2子出産のためだとか、そういう人の為の一時保育だったのですが。。。(そのかわり、認可に預けられない働く人は、無認可をりようしていました)。今の地域の一時保育のあり方には、納得しかねます。本当に使いたい人が待機児童としてカウントされていないから、問題が解消できず、待機児童が増える一方なのかも。。。

こんにちは。
4月から無事に次女が認可園に入園できることになりました&4月より復職します。色々と教えてくださいね。よろしくお願いします。

しかしながら、周りで不承知になった方もいます。(うちは、入りやすい0歳児4月入園&駅から離れた比較的大きい園なので、入りやすかったとは思います。)

少なくとも私が住んでいるところ@待機児童で悪名高い市だと、この近年入所基準が明確になるようにした、との事です。しかしながら、フルタイム正社員だとポイントが全員同じになって、結果的に非公開部分で処理されているような感じを受けます。
(一応、年収が低いとか、無認可保育園に預けて働いている等と言われていますが…)


住んでいるところでは、待機児童をなくそうと少しずつ努力が始まってきました。
でも、それが、今まで無認可保育園だったのを認可にした程度なのです。
人数も全学年で30人程度。ビルの一室の園庭も無い様な感じが殆どです。
そして、無認可保育園が認可に移行するに当たって、そこに通っていた児童が追い出され、環境が変わると言う事態にもなりました。
結果的に、認可園が増えたので、数字上の待機児童は減ってるのかとは思いますが、根本的解決ではありません。

また、たとえ、園庭の無いような認可園でも、一度入ってしまうと転園が出来ません。(引越しなどの事情があれば別ですが)
子どもが乳児クラスのような時はそれでもまだいいのかもしれません。
園庭があると言うことがすべてではないとは思いますが、小学校入学前位の子どもにその環境はどうなのか、と考えると悩んでしまいまう保護者が殆どではないでしょうか。

土地の確保などを考えると、都市部では保育園を増やすのは難しい、とは思います。でも、私の住んでいるところのような数字上の待機児童を減らすだけでない、子どもたちが健やかに育つことが出来る、そんな政策を日々願ってます。

まとまりの無い文章になってごめんなさい。それでは。

★ちゃいさん
コメント、ありがとうございました!

> そのときにwindyさんのブログを知りました。
そうだったんですね。不思議なつながりですね。

> 私のような思いをしない人が
> 10年後にいなくなるなら、
> それは喜ばしいことだとおもいます。
先輩のワーキングマザーの皆さんが切り開いてくださった道を、より歩きやすいようにするのが、今の私にできることかなぁとか思うことが、最近よくあります。後からくる人たちがより快適に歩けるようにって。そのために、頑張らなきゃいけない時もあるし、頑張らない努力が必要な時もあるなぁって、思います。

よい解決策がみつかりますように。祈っていますね。

★uekyonさん
コメント、ありがとうございました!

私が遭遇した「非公開のルール」は、放課後ルーム(学童保育)に入れなかったときのことなのですが、実は後日談もあります。
学童保育の説明会で市役所の人に質問してみたら、非公開のはずだったルールを教えてくださいました。ポイントが同じだった場合、たとえば、勤務先から放課後ルームまでの所要時間を考慮するのだそうです。所要時間が長くかかる人からの申請を優先するのだそうです。

保育園の待機児童になったときは、同じポイントだった他の方もNGでした。同じポイントの人が複数いる場合、その人たちが全員入れるまで、待機してもらうという運用とのことでした。ですので、待機児童になったことはショックでしたが、不公平感はありませんでした。※他の自治体では違う運用なのかもしれませんが。

いったん入園してしまうと、他の保育園への転園は難しいですよね。転園できたとしても、ならし保育を転園先の保育園でもう一度することになります(保育園にもよるらしいですが)。
待機児童の削減を目指してのことだと思いますが、来年度開園する保育園が近くにあります。その保育園が建てられる場所は、以前はボール遊びができる公園でした。その公園がなくなってしまったので、近所でボール遊びする場所がなくなってしまいました。都市部では仕方がないのかもしれないけれど。。。

復職、お待ちしています(^^)
残りの休暇を楽しんでくださいね☆

Windyさん、

トラックバックありがとうございました。
先日お越しいただいたPartyで受付をしていました。Windyさんとお会いできてうれしかったです。

ところで。保育園入所、本当に納得いかない部分もありますよね。確かに、公平といえば、公平なルールをとっているのだとは思いますが、公平なのを逆手に取る人も出てくるわけで。

しかーし、10年後とは、なんとも頼りないかぎりですよね。35歳で出産するとすれば、25歳にあと10年後にはなんとかするから待ってくれということ?25歳で出産するとすれば、15歳に誓う約束なわけですから。

後に続く人が楽になればいいですけれど。願わくばWindyさんのおっしゃる通り、もう少し今にできることも増やしてほしいですよね。

★柚子@WMSさん
コメントとTB、ありがとうございました!トラックバックしていただいた「保育園への入所」の記事、特に、SOHOで働く場合の申請のコツを興味深く読ませていただきました。
先日のパーティでは、お世話になりました。初めてお会いする方ばかりでしたし、遅れて到着したこともあって、受付でもオロオロしていた記憶があります。お恥ずかしい限りです。そんな私にも、スタッフのみなさんは温かく接してくださって、ホント、感謝感謝でした。おかげさまで、ただの一般人の私も、楽しめました。ありがとうございます☆
待機児童の件ですが、すぐには変われないだろうなぁと分かっていても、もうちょっと短い期間でなんとかならないものかと考えてしまいます。少子化対策の正念場は、ここ数年ほどだと言われているのですから。

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