育児休業は「他人に迷惑」
国家公務員に対して人事院が実施した調査の結果「職業生活と家庭生活の両立支援のための制度の利用状況等について」が、2月22日に発表されました。この中に、「男性職員に対する育児休業に関する意識調査結果」が含まれています。これは、育児休業を取得しなかったの男性に対するの調査結果です。その内容を見てみました。
まず、面白いなぁと思ったのが、調査項目。育児休業を取得しなかった事情が、家庭と職場に分かれた調査項目になっていました。上位の結果は、以下のとおり。
情報源:男性職員に対する育児休業に関する意識調査結果(PDFファイル)
「育児休業を取得しなかった事情(家庭)」の回答結果の第1位は、ダントツで「配偶者が育児休業を取得して対応できたため(79.9%)」。約8割の男性職員が、これを理由に挙げていて、第2位の「家計が苦しくなるため(29.5%)」を大きく引き離しています。
一方、「育児休業を取得しなかった事情(職場)」の回答は、第1位が「業務が繁忙であり、他の人の迷惑になるため(52.6%)」、第2位が「育児休業中の収入が少なくなるため(47.0%)」。ほぼ半数の男性職員が、この二つを理由として挙げていました。
女性だけでなく男性でも、
民間企業の会社員だけでなく国家公務員でも、
“育児休業は「他人に迷惑」”
と考える人は多いようです。
政府は少子化対策として男性の育休取得の促進を呼び掛けているが、国家公務員の意識や職場環境の遅れが目立つ結果となった。
引用元: 47NEWS(よんななニュース): 育児休業は「他人に迷惑」 男性国家公務員の意識遅れ
他の人の迷惑になるとわかっていても、
収入が少なくなるとわかっていても、
代替要員がいないとわかっていても、
職場の理解がなかったとしても、
昇進や人事評価に影響があるとわかっていても、
女性は、少なくとも産後6週間は休むしかない。育児休業じゃないけれど、産後休暇を取得しないという選択肢は、女性側にはないんだよなぁ。とか、今回の、男性職員に対する調査結果を見ながら、思いました。
我が家の場合、第二子出産後は、育児休業を旦那様と交替でとるはずでした。そのプランが直前でNGに!ちょうどその頃、旦那様は、危機プロジェクト挽回のプロマネに抜擢されてしまい、1ヶ月半もの間、かなり厳しい状態で仕事することになってしまったのです。子ども好きの旦那様、育児休業にあこがれていたのにね。。。あの時期は、私自身も体調が良くなかったので、週に2,3日でいいから定時退社して、手伝ってほしかったなぁ。
制度があるだけいいかもしれないけれど、「休める制度」だけでなくて、「職場の理解」や「休めるように助ける制度」とかも必要なんだなぁと実感した出来事の一つでした。とくに、男性の育児休業取得に際しては、女性よりももっと「職場の理解」が必要になるのではないでしょうか。
知人の会社では、「制度があっても、認めない」という風潮が職場にあるのだとか。「不公平感がぬぐえないから」というのが、その理由らしいです。同じ職場の人が不公平と感じてしまう、それもわかる気がするけれど、それを払拭するアクションが制度と一緒にあるといいのかも。トップダウンで啓蒙してもらうとか。
関連情報へのリンク:
- 職業生活と家庭生活の両立支援のための制度の利用状況等について - 人事院(2008年02月22日)
このブログの関連記事:
- 父親たちよ、育児は「協力」ではなく主体的に楽しむべきです(2007年10月11日)
- 育休を取るための6つのステップ(2007年09月07日)
- 「働きながら子育て」するために(2007年08月06日)
- 父親が子育てしやすい会社(2007年04月17日)
- おむつを換える男たちが世界を変える(2007年01月04日)
- 「☆父親」カテゴリ の記事
« 福田総理が事業所内保育所を視察 | トップページ | 月の神様と太陽の神様 »
国家公務員でも育児休業は迷惑だと思ってしまうのですか…。
意識の問題とはいうものの、制度をなかなか運用できないのは、この『意識の問題』というものの厄介さにあるのではと私は考えています。windyさんの知人の方の会社での理由も分かりますが、育児休業は確かに取る人取らない人がいるだろうということで、不公平感を感じるのも分からないではないですね。
「そんなものは男性が取るものではない」(と思っている人の考えに根拠はないことも多いですが)という考えで取らない人もいる。
うちの夫は2人目の出産のあたりに海外出張があるかもしれなくて、立会いも危なかったんですよ。今は管理職ですが、管理職ほど休めないんですよね…(一般の社員のほうがまだ休んでいると思います)
上の人たちは、ご自分が休業を取らなかった世代の方なので、「自分もこういう制度があれば取りたかった。部下にはぜひ取ってほしい」と考えるか「昔は休まずに頑張ったのに今の若い者は…」と考えるか、そのあたりが問題、なんじゃないかなと、企業という場に自分の身をおいていない私は思うのです。
投稿: ことなりままっち | 2008年2月26日 15時04分
昨日、windyさんが紹介してくれた前記事の福田総理の言葉にありましたよね?「女性が妊娠した、出産した、だから働けないっていうのは、ダメですよね」って。「首相もこんなふうに思ってくれているんだ」と少しうれしかったです。
でも、この記事は全く逆ですよね。男性は奥さんが妊娠しても、「だから働けない、復職できない」ということでは、悩まないんですよね。同じ立場なのに。
制度があっても使えないでは、絵にかいた餅。なんのための制度なのか?
上のことなりままっちさんのコメントの最後の部分で、私は今の管理職は「自分達の頃は子供のことで休んだり、帰ったりなんてできなかったから、若い人だってできなくて当然」と思っているんじゃないかと思うんです。義父が、若い社員が奥さん出産日に、そわそわしていたのに、「定時が終わるまでは、仕事に身を入れろ」と怒り、5時半のチャイムがなって、帰したという話を自慢げにはなしているのをきいて、そう思いました。今だったら、ちゃんと休みを与えてくれたり、早退させてくれる会社が多いのでは?
更に、管理職は平気で、家庭環境を考えずに、人を転勤させています。
夫が転勤した、そして、転勤先の認可保育園に入れなかった、働けなくなったという、働けないペンギンのちゃいです。福田総理はこのことをどうお考えでしょうか?聞いてみたくなりました(本日、激動の発表があったため、乱文、乱筆、すいません)。
投稿: ちゃい | 2008年2月26日 21時57分
こんにちは。
育児時間取得がネックになって異動希望が通らなそうなまりえです。とるのは迷惑なの?と近々管理職に質問に行く予定。さて、なんて答えるかな・・・・。
なんか、がっかりなデータですよね。
投稿: まりえ | 2008年2月27日 01時22分
★ことなりままっちさん
コメント、ありがとうございました!
> 管理職ほど休めないんですよね…
あー、確かにそうかもしれないですね。
取りたくても取りにくい状況なのかも。
育児休業や短時間勤務などの制度を使いやすいか否かは、職場環境や上司の考え方にかなり影響されると思います。
日頃の仕事の中で「変化に柔軟に対応すること」を実践してきていらっしゃるのでしょうから、今という時代にあった、たとえば育児休業の取得だって、柔軟に若い世代に認めてあげれそうなのに。そうはいかない、というのもわかるのですけれどね。意識改革って、スッとはいかなさそう。
投稿: windy | 2008年3月 1日 01時56分
★ちゃいさん
認可保育園、残念でしたね。。。ちゃいさん、大変ですね。お気持ちお察しします。
ちゃいさんのブログでizumiさんやまりえさんが書かれていたように、育休が長くなったって考えて、長い休みでないとできないことをやってみるのもいいのではと思いました。
そう考えてみたところで、気持ちは晴れないのではないかと思います。子どもが待機児童になってしまい、毎日毎日、どうしようどうしようって思って、電話帳やネットで探しまわっていた時期があるので、ちゃいさんのコメントを読んで、あの頃の自分のコトを思い出したりしていました。
今週、新待機児童ゼロ作戦が発表されましたが、3年後とかに10年後とかに改善された状態になってくれるのはいいけれど、今、助けてほしい人は助けられないということを、もどかしく感じました。
投稿: windy | 2008年3月 1日 03時25分
★まりえさん
コメント、ありがとうございました!同調査によれば、「育児参加のための特別休暇」を使った人は、約3割なんだそうです。
管理職への質問結果は、いかがでしたか?質問するのって、なかなか勇気とパワーの要ることではないかと思います。
投稿: windy | 2008年3月 1日 04時00分