「学習基本調査・国際6都市調査」
先月、「学習基本調査・国際6都市調査」の結果の速報版が、ベネッセから発表されました。この調査は、6都市(東京・ソウル・北京・ヘルシンキ・ロンドン・ワシントンDC)の小学生に対して行われたもので、学習意識とその実態を調べたものです。
→「学習基本調査・国際6都市調査 速報版」 - Benesse教育研究開発センター
速報版の中で、私が興味をもった部分を紹介します。
◆ワシントンDCの小学生は毎日同じ時間割
この速報版の中で私が一番興味をもったのは、ワシントンDCの小学校の時間割です(下図)。なんと毎日同じ時間割なんですって。知らなかった。。。教科ごとに1時限の長さが違うのは、いいなと思いました。例えば、社会や理科は45分授業、算数は75分というように。
▼表1-6 ワシントンDCのある小学校の時間割例(小学5年生)
出典:「学習基本調査・国際6都市調査 速報版」 1.好きな教科

◆東京の小学生の学習時間は二極化
ニュースでは、「東京の小学生の学習時間が二極化している」という調査結果と「勉強が役に立つという意識が低い」という調査結果が、主に報道されていました。
このうち、学習時間の二極化について、実際どのくらい違うんだろうと思って調べてみました。その結果、 1時間以下と回答した小学生が49.3%。3時間以上と回答した小学生が23.5%。なるほど、ホントに二極化していますね~。
しない : 8.5 30分 : 21.2 1時間 : 19.6 1時間30分 : 10.6 2時間 : 8.9 2時間30分 : 6.5 3時間 : 5.4 3時間30分 : 4.5 それ以上 : 13.6
Benesse教育研究開発センターの研究員レポートによれば、中学受験するかしないかによって、勉強時間に3倍の違いがあるのだそうです。これまた納得なのですが、この違い、将来にどのように影響がでてしまうんでしょうか。。。
このように、東京の小学生の学習時間は、二極分化していることが特徴である。その要因として、中学受験をする予定があるかどうかが関係している。中学受験を「しない」と回答した小学生は、平均学習時間が54.3分であるのに対して、「する」小学生は156.9分と3倍近い。中学受験をする子としない子の明らかに異なる2つのタイプが教室内にいることは、学校現場で指導のしにくさを生む一つの原因になっているといえるだろう。
引用元&数値の出典: 第11回 小学生の学習時間―国際6都市調査の結果から - Benesse教育研究開発センター
以下、つれづれなるままに、思ったことを。
ある懇談会の後、お子さんが持ち帰ったと思われる、算数のテストの答案を持って、何人かのお母さん方が、担任の先生を取り囲んで熱心に話しているのを見たことがあります。どうやら解き方の話をしていた様子。その張りつめた雰囲気には、近寄りがたいものがあり、担任の先生に挨拶して帰ろうかと思っていた私はあきらめ、教室を後にしました。
学習塾と習い事に、週に5回通っているクラスメートがいると聞いています。かなりのハードスケジュールですよね。でもこれ、保護者のススメとかではなく、子どもが「やりたい」と言ったから通っているのだそうです。それが楽しいのだとか。
いろんな保護者もいれば、いろんな子どももいるんだなぁ。
ということを、かなり自分を励まして参加した懇談会(←苦手なんですーー;)で、私は再認識したのでした。
子ども本人の目標がハッキリすれば、学ぶ意味を理解するだろうし、やる気になると考えています。保護者はその補助ができればと思うのですが。。。
このブログの関連記事:
- 小・中・高校生の社会観って?(2006年12月25日)
「第4回 学習基本調査」の国内調査の速報版について触れています。
関連情報へのリンク:
- Benesse教育研究開発センター
-学習基本調査・国際6都市調査 速報版
-研究員リポート - データからみる今と未来
・第11回 小学生の学習時間―国際6都市調査の結果から
・第12回 小学生の学習に関する意識―国際6都市調査の結果から
関連ニュース記事:
北京、ソウルで小学生の英語学習熱高まる ―ベネッセ調査
「習い事」についての設問では、英語を学んでいる児童が東京では18.1%、ソウルでは外国語が51.5%、北京では英語が61.8%となっている。「英語」が教科として小学校で教えられている韓国、中国で英語(外国語)の学習熱が高まっている様子が伺える。
引用元: 英語教育ニュース薄れる高学歴志向、「勉強役立つ」東京低く・国際6都市小学生調査
東京の小学生は、ソウルや北京、ヘルシンキ、ロンドン、ワシントンに比べ、勉強が役に立つと考えている割合が低く、高学歴志向も強くないことが、ベネッセ教育研究開発センターの「学習基本調査・国際6都市比較」でわかった。
引用元: NIKKEI NET(日経ネット):主要ニュース学習習慣 世界の子を比べると…
・勉強時間が長いのはソウル
東京はするかしないかに差
・何のために学ぶ 親子で考えよう
朝日小学生新聞(2007年09月21日付 1面)
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