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2007年8月17日

男が家事をしない理由

日経ビジネスオンラインの「数字で見る男と女の働き方」のコーナーに、「男が家事をしない理由」という記事が掲載されています。調査結果に基づいたレポートになっており、主に以下の二つのことを中心に書かれています。
 ・ 家計と家事分担に関する調査結果
 ・ 働く女性の真の支援となるものは?

とても興味深い内容でした。引用させていただいている日経ビジネスオンラインの記事には、この記事を書いている時点で、41件の、これまた興味深いコメントが寄せられています。他の皆さんの考え方を知ることもできますので、気になる方は、下記URLにアクセスし、記事とコメントを読んでみてくださいね。

引用元: 【第8回】男が家事をしない理由 (数字で見る男と女の働き方):NBonline(日経ビジネス オンライン)

引用元の記事を読んで私が考えたことを、以下に書きます。

◆「“女がやるような家事”を男性がやると」について

引用元の記事には、「男が家事をしない理由 高収入の女性は“女らしくない”か」というタイトルが付いています。「男が家事をしない理由」について直接的に書かれているのは、

家事も、育児も面白そうならやるけれど、“女がやるような家事”をやると『ゲイみたい』と思われそうで、嫌なのではないか

という、ある一人の女性の意見として紹介されているだけです。男性が家事をしないのは、「『ゲイみたい』と思われそう」だから、というわけではないと思うのですが。。。

◆「家事分担の男女比」について

「男性が家事をしない理由」に間接的に関係がありそうだと思ったのが、以下の部分。「夫が家庭の収入の100%を担っている場合、妻は90%以上の家事を担当している。」「逆に、妻が家庭の収入の100%を担ったとしても、夫は37%以下の家事しか担当しない」という、興味深い調査結果が紹介されています。

 男性は100%の家計責任を負っている時、家事の10%を分担する。言い換えれば、専業主婦家庭では夫は家事を10%しかやらない。…中略…ところが女性が100%の家計責任を負っても、男性の家事分担は37%までしか増えない(「Economics and Identity」、『The Quarterly Journal of Economics』2000年・Vol.115, No.3、pp.715-753、George A. Akerlof and Rachel E. Kranton)。

これは想像できることなのですが、数字で見ると、女性の置かれている状況というのが厳しいことがうかがえます。もちろん、ご家庭によっては、旦那様が本当に協力的なご家庭もあるかとは思うのですが、これらの調査結果をみると、それはまだまだ少数派なのでしょう。

「 収入比 = 家事・育児の分担比 」
に近い状態になるといいんじゃないかな。

◆「家事に対する意識の違い」について

女性と男性の家事分担の違いは、家事に対する意識の違いからきていると思います。引用元の記事では、『「女らしくなくなる」状態を埋め合わせるために、家事を多くやりがちなのだ』という社会学者の言葉が紹介されていますが、もしかしたら女性は無意識のうちにそうしてしまっているのかもしれません。なぜか。それは、「家事は女性がやるものだ」という考え方が、すり込まれてしまっているからではないでしょうか?

 『Second Shift』には、大企業で上級管理職として働く妻が、家事も完璧にやろうとして結局退職せざるを得なくなった例が出てくる。彼女は夫より高収入だったが、「家事は妻である自分の責任」と考えていた。
 こうした行動を発見した社会学者たちは、高収入の妻は稼ぎすぎて「女らしくなくなる」状態を埋め合わせるために、家事を多くやりがちなのだ、と結論づけている

「女性だから家事をすべきだ」とすり込まれてしまっているから、たとえ家庭の収入を女性に頼る状態になったとしても、女性側は家事しなければ、という強迫観念のようなものをもってしまうのかもしれません。本人の意思や家庭や夫婦の状況などによって、一概には言えないとは思いますが。

家事をしたくないと言っているのではありません。分担して、うまくやっていきたいなぁと思うのです。

◆働く女性の真の支援となるものは?

働く女性の支援を真剣に考えるなら、彼女たちの夫が家庭責任を果たせるようにしなくてはならない。共働きを続けるなら男性は意識を変えなくてはならないし、既に家庭参加の意思を持つ男性が実行に移せるような、雇用環境が必要だ。

やっぱりワークライフバランスですね(^^)

他の記事でも書きましたが、ワークライフバランスというと、会社側の頑張りを期待しちゃったりしますが、それだけではないんですね。「仕事」と「プライベート生活」の、うまくバランスをとれる点を見つけ出すことが、「ワークライフバランスの実現」の真髄なのかも。治部さんの記事を読んで、それを改めて感じました。

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コメント

男が家事をしない訳の考えが育った環境によると思います。日本の環境が男が家事をする環境であれば自然と身に付くものと思います。社会全体の環境もその状況ではないと思います。これから共稼ぎが増え環境が整えば増えてくると思います。

ちょうど同じようなことを考えて、夫の家事参加についてエントリーUPしたところでした。家庭や、その人個人の考え方の差によるところが多いのかもしれませんが、まだまだ「 収入比 = 家事・育児の分担比 」という家庭は少数派ではないかと思います。

それが本来の姿だと思うのですが。

トラックバックありがとうございます。

家庭内での役割分担について非常によく考えさせられる記事だと思います。

★佐野 正さん
コメント、ありがとうございました!
「育った環境」も「男が家事をしない理由」の一つだと思います。旦那様が家事・育児に協力的でない理由が、「自分の父親が何もしないから」だというご家庭の話を聴いたことがあります。
引用元記事で「(アメリカと)同種の変化が日本で起きるなら、…略…、男性の家庭進出にはもう少し時間がかかるのかもしれない」と、治部さんが書かれていらっしゃいます。このような面から考えても、佐野さんがコメントで書いてくださったように、共働き家庭の増加に伴って、夫婦が共に家事する家庭も増えるのではないかと思っています。

★izumiさん
コメントとTB、ありがとうございました!
そうですね。夫婦のバランスが取れているのであれば、必ずしも「収入比=家事・育児の分担比」でなくてもいいんじゃないかと思います。ナントカ係数をかけて、等式が成り立つご家庭もあるでしょうし。
「収入比=家事・育児の分担比」と書いていて思ったのですが、まるで、マンション買うときの持分比みたいだなって(^^; 一般的には、マンションの持分比は、収入比と等しいのがいいと言いますから。

★convineさん
コメントとTB、ありがとうございました!
治部さんの記事は好きで、毎回読んでいます。読者を考えさせる記事だなと、私も思います。

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