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2006年9月 9日

「育児や介護に参加できる働き方必要」厚生労働白書

9月8日に「厚生労働白書」(以下、“白書”と書きます。)が
厚生労働省から公表されました。

労働時間が長いという現状と、
仕事と生活のバランスの取れた働き方の必要性が、
白書では述べられています。

少子化要因は育児世代の長時間労働…厚生労働白書
 厚生労働省は8日、2006年版厚生労働白書を公表した。白書は、少子化の要因の一つに、30代を中心とした育児世代の長時間労働を挙げ、労働者の仕事と生活の調和を実現する働き方の見直しは企業の社会的責任であると強調した。
…中略…
 白書によると、25~39歳で「週60時間以上」の長時間労働をしている人は、2004年には20%を超え、10年前より4ポイント前後が増えた。仕事以外の時間が足りない状況は、「少子化の一つの要因で、長期的にみて社会の活力を低下させる」と分析。労働者が仕事に偏った生活から解放され、仕事と家庭の調和がとれた状況「ワークライフバランス」の実現を求めている。
引用元: YOMIURI ONLINE(読売新聞) - 政治

白書の本文は約360ページもあります(^^;
全部を見るのは大変そうなので、上で引用しているニュース記事に関連した内容が、白書のどの部分に書かれているのかを見てみました。

まず、「週60時間以上の長時間労働」については、白書では、以下の部分で触れられています。長時間労働の影響で、男性の家事・育児時間が世界的に見ても少ないことが、グラフからもよく分かります。

第3節 保健医療・生活支援
第4款 児童の保護を中心とした対策から
   すべての子どもの育ちと子育てを支援する対策へ
4 現在の課題と今後の方向性
(1)働き方の見直しに関する取組みが進んでいない

…中略…
実際には、子育て期にある30歳代男性の4人に1人は週60時間以上就業しており、長時間就業者割合も増加してきている。これにより、子どもと向き合う時間が奪われており、我が国の男性の家事・育児に費やす時間は世界的に見ても最低の水準であり、子育ての負担が女性に集中している。
引用元: 厚生労働省:平成18年版厚生労働白書(本文) P.168

20060909_125


(出典:厚生労働省:平成18年版厚生労働白書(本文) 図1-2-5, P.25)
※図をクリックすると、大きな図が表示されます。

日本の男性だけ、グッと線が短いのがわかりますよね。

仕事と生活のバランスの取れた働き方(ワークライフバランス)を実現するための施策は、ほとんどのニュース記事では触れられていませんでした。白書では、以下の部分で触れられています。

第2節 地域の支え合いと職場(働き方)の見直し
(2)「職場」での雇用の在り方を変える
(仕事と生活を充実させるための職場の在り方
 -「ワークライフバランス」-)

…中略…
これを可能とするためには、
(1) 労働時間管理の適正化や所定外労働時間の削減などの労働時間対策を推進する、
(2) 求人における年齢制限の撤廃、個人主導の職業能力開発の推進、職業能力評価制度の整備等、離職した者の再就職が容易となるような環境整備を図る、
(3) 個々の労働者が多様な働き方の選択肢の中から人生の各段階において主体的に選択・決定できるようにする
との観点から、働き方の実態に応じ、その労働条件について均衡のとれたものとなるよう、環境整備が図られなければならない。
特に、子育ての期間については、長時間労働を避けることができる労働時間管理が強く望まれる。その際には、次世代育成支援の観点から育児休業の取得だけでなく短時間勤務などを可能とする仕組みの整備促進、年次有給休暇の取得促進、所定外労働の削減などの対応策を講じていくことが重要である。
引用元: 厚生労働省:平成18年版厚生労働白書(本文) P.195

やっぱり、多様な働き方を認めてもらえるのが、うれしいかな

子育て支援という観点からだけでは十分でなく、仕事とそれ以外の時間のバランスはすべての働く人にとって必要なはず。だから、「ワークライフバランス」という考え方が広がってきたのではないかと思います。

他のニュース記事をいくつか引用しておきます。

30代子育て世代は「働き過ぎ」 厚労白書
 政府は8日の閣議で、2006年版厚生労働白書を決定した。少子化の社会的背景の一つに30代を中心にした子育て世代の「働き過ぎ」を挙げ、企業の社会的責任として「働かせ方」の見直しを求めている。また、意欲ある高齢者、フリーターの若者らに就職の門戸を開き、その分、社会全体として家庭や地域での育児、介護に充てる時間を増やせる「支え合いの循環」の流れができれば、社会保障の充実にもつながると指摘している。
引用元: FujiSankei Business i.

「育児や介護に参加できる働き方必要」厚労白書
 川崎二郎厚生労働相は8日の閣議に2006年版厚生労働白書を報告した。今年の表題は「持続可能な社会保障制度と支え合いの循環」。人口減少時代を迎え、予想を超える速さで少子化が進んでいる現実を踏まえ、社会保障や雇用制度のあり方を検証する内容になっている。
…中略…
 具体的には、個人の負担が増す育児や介護などを家族や地域社会が支援できる体制が必要と分析。こうした活動により多くの人が参加できるように、長時間労働を是正するなど企業や労働者が働き方を見直す必要があると指摘している。
引用元: NIKKEI NET:経済 ニュース(2006年09月08日)

必要だから残業する。でも、残業中に「子どもたちは寝ました」と旦那様からメールをもらうと、やっぱり悲しい気分になる。で、そうなる前の時間帯に、息子に電話をするかメールを書く。それでもちょっぴり悲しい気分がする。いろんなところでバランスが取れていない気分になってしまう。。。
ワーキングマザーするからには、ある程度は仕方ないのですけれどね。ましてや、この仕事を選んだのは自分自身だし。いろいろと課題はありますが、バランスとりながらやっているつもりです。

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コメント

白書は長そうですね。気合入れて読んでみようかなと思います。
多分自分のブログでも取り上げることになると思いますが、新聞記事で読んでの私の第一声は「なにをいまさら!」だったんですよ。「もっと早く気づいてよ」と。そのあたりを書いてみようかなと思います。介護なんて大変ですからね。

★おそなえ餅1号さん
コメント、ありがとうございました。白書、とても長いですよねー。全部読破してから記事を書こうと思っていたのですが挫折。。。
白書、現状はよく書かれていたように感じますが、対策や展望がイマイチだった気がしています。(私だけかな?^^;)

はじめまして

>子育て支援という観点からだけでは十分でなく、仕事とそれ以外の時間のバランスはすべての働く人にとって必要なはず。だから、「ワークライフバランス」という考え方が広がってきたのではないか

その通りだと私も思います。多様な働き方ができて、かつ生活がちゃんと成り立つ、そんな社会のシステムを考えていきたいものです。私たち男性にとってもバランスは大切だと認識しています。

★さかちゃん
はじめまして。コメントありがとうございました。
「男性にとってもバランスは大切」だと、本当に思います。私の場合、このことをはっきりと意識したのは、同僚(男性)の一言でした。「会議は9時から18時の間に」の記事で書いたことを朝礼のスピーチで話したことがあったのですが、あるときその同僚が「windyさんが以前話していたことって、子育てしていない人も同じように思いますよね」と話してくれたからなんです。
世の中、いろんなところでバランスが大切だと気付かされますが、仕事と生活のバランスも例外ではなく、大切にしていきたいと思います。

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