幸せの50円玉
学校にお茶を持っていく必要があって、今朝、スポーツ店横の自動販売機で500mlペットボトル入りのお茶を買った。お釣りを息子が取り出してくれたが、50円玉が手からこぼれて、用水路の蓋の穴から落ちてしまった。蓋はコンクリート製。しかもアスファルトにくっついている。持ち上げるのは不可能だ。
「残念だけど、あきらめようか?わざと落としたわけじゃないし。次からは気をつけようね」「うん」
夕方、放課後ルーム(学童保育)に息子を迎えに行き、朝と同じ自動販売機の前を通った。
「お母さん、50円玉、まだ光っているよ」「そうだね。どうしようか?スポーツ店のおじさんに、挟むもの貸してもらえるか相談してみようか?」「うん。僕行ってくる」
スポーツ店のおじさんは親切なかただった。シャッターを開け閉めするときに使う棒の先にセロハンテープを巻きつけて、用水路の蓋の穴から差し込んで、50円玉をくっつけて取り出してくれたのだ。棒を替え、テープを替え、何回か試行錯誤を繰り返しながら。
「ありがとうございました!」
おじさんに感謝。言葉では表せないくらいの感謝だ。
諦めた50円玉が戻ってきた。大切さが他の50円玉とは違う「幸せの50円玉」を、息子はドラえもんの貯金箱に大事に入れていた。
人の優しさを心の奥底から実感してしまった。他の人、しかも面識がない人からの優しさで、心が温かくなるような出来事は久しぶりだった。困っている人がいたら助けてあげよう、本当に。
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